俳優のオダギリジョーが14日、都内で行われた映画「夏の砂の上」(玉田真也監督)のティーチインイベントに登壇した。

 愛を失った男、愛を見限った女、愛を知らない少女…それぞれが夏の砂のように乾き切った心に、小さな希望を見つけていく物語。

第27回上海国際映画祭授賞式で審査員特別賞に選ばれた。

 この日はXで募集した質問や、観客からの質問に回答。主演、共同プロデューサーを務めるオダギリは、カメラアングルや立ち位置など細部にこだわったシーンへの質問に対して「メジャーな作品ではこういう表現は許されないんですよ。ちゃんとカットバックして、顔を見せないと『分からない人には分からないから』と止められる。なので、何回も何回もセリフごとのカットバックになるはずなんですよ。それを一連で撮れることがこのミニシアター系の面白さ。醍醐(だいご)味。(ミニシアター系は)想像させるということが大切。メジャーは想像させることよりも、入り込ませるというか、分かりやすく作らなきゃいけないという考え。どっちも否定することではない」とメジャー作品とミニシアター作品を比較して答えた。

 そして、「ただ、僕は想像したい。こういう閉じ込められた劇場という空間で見ると、いろいろなことを受け止められるから、だからこそミニシアター系の映画は劇場で見てもらいたい」と呼びかけた。

 様々な質問に回答した後、オダギリは「僕ももう一回(この映画を)見たいと思った」と話した。

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