歌舞伎俳優の片岡愛之助、中村壱太郎が15日、大阪市内で「第十五回永楽館歌舞伎」(9月30日~10月5日)取材会に出席した。

 現在大ヒット上映中の映画「国宝」でも使用されている、近畿最古の芝居小屋「出石永楽館」(兵庫県豊岡市)での公演。

15年連続出演の愛之助は「映画を見られた方が、聖地巡礼ではないですが結構永楽館にいらっしゃっているようなので、そういう意味でも非常にうれしい。第15回を全力でつとめたい」と意欲を語った。壱太郎も「国宝」に舞踊振り付けで関わっており「私も藤娘を永楽館で踊っております。盛り上がるには今年は絶好の機会」と映画とともに、歌舞伎界の盛り上げを誓った。

 演目は「寿曽我対面」(ことぶきそがのたいめん)、「口上」、「神の鳥」(こうのとり)を上演する。愛之助は「何かおめでたいものをと色々考えまして、『寿』とついているではないかと。そして『こうのとり』はここで生まれ、歌舞伎座で上演しました。凱旋(がいせん)公演ではないですが、舞い戻ってまいりました。亡き父(片岡秀太郎)も喜んでいると思います」と、説明した。壱太郎も「神の鳥」について「ストーリーは子供救出大作戦。歌舞伎らしい華やかさもあり、誰が見ても楽しめると思います」と太鼓判を押した。

 映画「国宝」人気もあり、若い人が歌舞伎に触れる機会も増えてほしいと願う愛之助。

「カットされた部分も全部見たいというお話を(横浜)流星くんにもさせていただきました。今回も『二人道成寺』で頑張るかと思ってはいたんですけど、ちょっとそれはきついよね…ってなりました(笑)」とリップサービス。一方の壱太郎は永楽館の裏側が映っていることを挙げ「本当に裏に楽屋があって、携帯も切らないといけないし、話しもできない。そこが映っていたのがすごくうれしかったです」と、別の視点から映画の魅力と永楽館の魅力を語った。

 映画を見て、今回初めて歌舞伎に触れるという人について、愛之助は「イヤホンガイドを借りていただくと分かりやすいし、番付を読んでいただくともっと分かる。映画をご覧になるくらいの軽い気持ちで来て下さい。服はもう布さえまとっていただければ別に問題ございません!」とアピールした。

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