歌舞伎俳優・尾上右近の自主公演、第9回「研の會」東京公演が15日、浅草公会堂で開幕した。

 同級生で親友だという中村種之助とのタッグで山本有三作「盲目の弟」、舞踊「弥生の花浅草祭」が上演された。

「―弟」は右近の曽祖父、6代目尾上菊五郎が1930年初演し、今回43年ぶりというレアな演目。中村亀鶴、新派の春本由香が共演。

 若手俳優の中でも踊りに定評のある2人。「弥生―」ではそれぞれ4役を巧みに演じ分けた。ラストの獅子の精の場面では、ともに首がどうかなるのでは、と思わせるほど激し過ぎる毛振りを見せ、喝采を浴びた。

 カーテンコールでは右近から来年の第10回をもって「『研の會』は幕を閉じます」と改めて報告。知らなかったファンの中には「エーッ!」と悲鳴を上げる人も。「全力で走り抜けます」と自分に気合を入れて締めくくった。16日まで。

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