俳優の藤原竜也が15日、閉館する27日までカウントダウンイベントが続く東京・銀座の丸の内TOEIで「バトル・ロワイアル」(2000年)の上映前に舞台あいさつした。

 藤原は「深作欣二監督と出会わせてもらい、映画の厳しさや楽しさを教えてくれた作品。

僕にとっての青春の1ページで、人生の新たなスタートのような作品をまた上映できることをうれしく思います」と感慨にふけった。

 無人島で42人の中学3年生が最後の1人になるまで殺し合いをする問題作で、公開前から社会現象に。18歳だった藤原は騒動をあまり覚えておらず「子どもといえば子どもですから。大人たちは騒いでいるけど、我々は日々撮影をこなさないといけないから少し違う世界にいた」。深作欣二監督の演出について聞かれると「すごく深く向き合ってくださった。内面的な、数ミリ、数センチの感情の振れ方を指摘していただいた。人間の本質的な部分を見透かされているようだった」と振り返った。

 深作監督の息子で、本作の脚本を担当した深作健太氏は「自分のスタートとなった思い出深い作品。25年はあっという間」としみじみ。がんを患っていた父とは、現場で予算やスケジュールを巡って毎日ケンカしていたという。周囲は千葉真一や菅原文太らゆかりある大人の役者との作品を望んでいたが、「若い役者とやることを最後に望んでいた。それが深作欣二監督の生き方だと思いました」。

 セリフ覚えの悪い俳優のために、現場にカンペが貼られていた逸話にも触れた。健太氏は「竜也くんはセリフ覚えがいいので全くなかったんですが、今日お名前を出せない選挙活動中の方が、大変セリフ覚えがアレでございまして…」と、藤原と共演していたれいわ新選組・山本太郎代表を想起させるエピソードで爆笑をさらった。

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