韓国出身の歌手・BoA(38)が15日、所属レコード会社などを通じ、膝の骨壊死(こつえし)のため今夏に予定されていたコンサートなどの出演を中止することを公式サイトで発表した。
サイトでは「BoAは最近、膝の痛みが悪化したことにより受診した病院にて、手術をともなう治療が必要な骨壊死との診断を受けました」と報告。
BoAは今年8月に韓国でコンサートを行った後、9月より「BoA LIVE TOUR 2025(仮)」として東京・大阪・福岡で4公演を行う予定だった。公演はいずれも中止となる。8月に東京ドームで開催される合同コンサート「SMTOWN LIVE 2025 in TOKYO」も出演を見送る。
今年はBoAにとってデビュー25周年を迎える節目の年。今月5日には日本テレビ系の大型音楽特番「THE MUSIC DAY」に出演し、「VALENTI」を生パフォーマンス。変わらぬ歌声とダンスを披露したばかりだった。
韓国のSMエンタテインメントもこの日、公式の文書で「制作を完了したアルバムは変更なく予定通り発売する」と説明。今後のコンサートの開催可否に関しては「手術後のアーティストの回復経過によって再告知する」とし「BoAが治療と回復に専念できるように最善を尽くす」とコメントした。
◆慢性的な負荷で骨つぶれる
近畿大学病院運動器外傷センターの大谷和裕教授によると「膝は大腿骨(だいたいこつ)、脛骨(けいこつ)、膝蓋骨(しつがいこつ)で構成されるが、骨壊死は通常、大腿骨の膝の関節部分の骨が死んだ状態」という。「膝の関節は体重のかかるところなので、慢性的な負荷で骨が弱くなったところで小さな骨折を生じつぶれてしまう。トンネルの落盤事故が起こるようなイメージ」と説明する。
治療は安静が第一だが、手術となった場合は「骨がつぶれた箇所や損傷した軟骨を再生することは難しい。若い方は別の箇所から骨と軟骨を採取して壊死した箇所に移植する方法をとったり、年配の方なら人工関節に置き換える方法もあります」。復帰については「軟骨と骨を移植する場合は、もともとの関節を温存できるため、経過がよくリハビリテーションを頑張れば復帰は望める」とした。