女優の遠野なぎこさんが亡くなっていたことが17日、遠野さんの公式ブログで発表された。45歳だった。

 「遠野なぎこ 親族一同」の名義で投稿され「このたび、遠野なぎこ(享年45歳)が永眠いたしましたことをご報告申し上げます」と公表。そして「故人の名誉のため、死因についてもご説明申し上げます。 現在、警察の見解によりますと、事故によるものであり、自死ではございません」と説明し「故人は、生前も大切な愛猫のために日々懸命に生きておりました。 どうか、皆さまにおかれましても、その想いをご理解いただけますと幸いです」と伝えた。

 愛猫の近況についても説明。「多くの方よりご心配の声を頂戴しておりますが、故人が生前大切にしておりました愛猫は無事に保護され、現在は安心できる環境で元気に過ごしております。 どうぞご安心ください」とファンに呼びかけた。

 続けて「突然のことで、関係者の皆さまにはご心配とご迷惑をおかけいたしますこと、深くお詫び申し上げます。 あわせて、これまで故人を支えてくださった皆さまに、心より御礼申し上げます」とつづられ、葬儀は近親者にて執り行う予定だと報告。「 故人は俳優業に真摯(しんし)に向き合い、さまざまな困難と闘いながら、懸命に生き抜いてまいりました。 その姿を、私たち親族一同、深く尊敬し、心から誇りに思っております。 令和7年7月17日 遠野なぎこ 親族一同」と締めくくった。

 遠野さんはかねて、メディアなどで過食嘔吐などの摂食障害を長年わずらい、精神的な浮き沈みが激しいことを公表していた。先月24日にはブログでメンタルクリニックのオンライン診療を受け、同26日には「うつ病」と診断されていることを報告。同27日には訪問看護を契約していたことなどをつづっていた。

 神奈川県出身。子役としての活動を経て、1994年より「遠野凪子」名義で女優活動を本格化。95年にNHK大河ドラマ「八代将軍吉宗」、TBS系「未成年」などで存在感を発揮した。99年にNHK朝の連続テレビ小説「すずらん」でヒロインに抜てき。北海道の炭鉱の街で駅に置き去りにされ、母親を探しながらたくましく生きる主人公・常盤萌を演じた。

 2010年には「遠野なぎこ」に改名。女優業のみならず、飾らない人柄からバラエティー番組のオファーも多く、フジテレビ系「アウト×デラックス」やTOKYO MX「バラいろダンディ」などでの歯に衣(きぬ)着せぬ発言でも注目を集めた。私生活では3度の結婚、離婚を経験。09年の1度目は72日間、14年の2度目は55日間、23年の3度目は14日間で離婚し、いずれも結婚生活は長くは続かなかった。

 一方で、自伝本などで実の母からの虐待や、10代から摂食障害に苦しんできたことなどを発信。現在も精神科への治療が続いていることを明かしていた。昨年9月末に所属事務所を離れ、以降はフリーで活動していた。ブログでは愛猫との様子や料理の写真などを更新する一方で、ときおり訪れる精神的な不調についてもつづっていた。

 ◆遠野 なぎこ(とおの・なぎこ)1979年11月22日、神奈川県出身。99年のNHK連続テレビ小説「すずらん」のヒロインで知名度を上げ、2001年、映画「日本の黒い夏―冤罪」で日本映画批評家協会新人賞を受賞。13年に自伝的小説「一度も愛してくれなかった母へ、一度も愛せなかった男たちへ」で母親との確執を告白した。

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