日本人女性初の北極点到達を達成した冒険家で女優の和泉雅子(いずみ・まさこ)さんが9日午後1時3分、原発不明がんのため自宅で死去した。77歳だった。

 10歳から子役として芸能活動を始め、石原裕次郎さんを見いだした名プロデューサー・水の江滝子さんにスカウトされて1961年に日活入り。多くの青春映画に出演し、吉永小百合、松原智恵子と「日活三人娘」として人気を博した。63年には主演映画「非行少女」(浦山桐郎監督)の演技が評価され、モスクワ映画祭金賞を受賞した。日活の映画では高橋英樹と共演する機会が多かった。またヤマト運輸のCMキャラクターとしても親しまれた。

 冒険家としては89年には北極点到達を果たした。日本隊としては4隊目で、日本人女性としては初の快挙だった。きっかけは84年、テレビ番組のリポーターとして南極を訪問して「地球のテッペンに立つ」のが夢となった。それから5年。カナダ最北端のワードハント島から2台のソリで出発し、62日間に直線距離800キロを走破して偉業を成し遂げた。

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