参院選は20日、投開票された。過去最多の9人が立候補した京都選挙区(定数2)では、自民現職の西田昌司氏が4期連続当選。

「ひめゆりの塔」に関する問題発言でさらされた逆風をしのいだ。

 西田氏は5月初旬、沖縄・那覇市での会合で、太平洋戦争末期の沖縄戦で犠牲となった学生や教員を慰霊する「ひめゆりの塔」の展示について「日本軍が入ってきてひめゆりの隊が死に、米国が入ってきて沖縄が解放されたという文脈で書いている。歴史の書き換えだ」と発言。撤回に追い込まれたが、同月末の月刊誌では再び発言について「事実は事実」と主張した。

 選挙戦では、有権者から「沖縄に謝罪したのか」などと直接詰め寄られるなど、逆風を肌で実感。15日には自身のSNSに「京都選挙区で3位に甘んじている。皆様方の携帯電話でぜひとも10人以上、西田昌司を投票して押し上げてやってくれと、お電話お願いします」と懇願する動画を「緊急のお願い」と題して投稿するなど必死の選挙戦を繰り広げた。

 今回の京都選挙区には、日本維新の会が、京大野球部出身で知名度の高い元関西テレビアナウンサー・新実彰平氏を擁立。13、19年の参院選で続いた「自民、共産」の牙城を崩し、初めて議席を獲得した。その2度の選挙で得票率40%前後の圧勝でトップ当選を果たしてきた西田氏は、共産・倉林明子氏らの追撃をしのぎ、3期連続当選の父・吉宏氏から引き継いだ議席を守り抜いた。

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