◆明治安田J1リーグ▽第24節 鹿島3―2柏(20日・メルスタ)

 鹿島は柏に3―2で競り勝ち、2位に浮上した。日本代表の東アジアE―1選手権で優勝に貢献した武闘派DF植田直通(30)が今季初ゴールを奪うなど、3得点で連敗を3でストップし、柏を首位から引きずり下ろした。

岡山に2―1で勝利した神戸が首位に浮上。横浜Mは名古屋に3―0で完勝し、最下位を脱出した。

 鹿島の男たるもの、首位をホームに迎えた大一番で負けるわけにはいかない。1―0で迎えた前半39分、植田がFKに頭から飛び込み、今季初ゴールをもぎ取った。クラブが「たぎる!男祭り」と銘打った一戦で総代を命じられた“男の中の男”が力を示した。

 「男祭りで結果が出せた。うれしく思う」。テコンドーで世界大会に出場した実績を持ち、サッカー中の負傷だけで通算70針以上を縫い、歯が唇に貫通した状態でフル出場したこともあり…。武闘派エピソードに事欠かない30歳のDFが、首位たたきを誇った。

 約3年3か月ぶりの招集となった日本代表で、2試合に出場して優勝に貢献。18年ロシア大会に続く2大会目のW杯出場の道も見えた。しかし、植田は冷静だ。

「W杯は出たい。でも結局、僕はここで何ができるか。(代表に)呼ばれたいというより、ここで結果を出して優勝したい」。鹿島を9季ぶりVに導いた先に2度目の大舞台があることを再確認し、決意を新たにした。

 後半アディショナルタイムの劇的勝ち越し点で、チケット完売となった一戦を制した。鹿島は夏場の大一番で勝ちきれず過去8年、無冠が続いてきたからこそ、植田も「この勝利は大きい」と大きくうなずく。首位攻防を制した鹿島が2位に浮上した。(岡島 智哉)

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