バスケットボールのアジアカップで準優勝の女子日本代表が22日、都内で取材に応じた。大会ベスト5に選ばれた19歳の田中こころ(ENEOS)は「いい経験をさせてもらった大会」と振り返った。

 田中は準決勝の中国戦で27得点、オーストラリアとの決勝でも21点と大一番で活躍した。A代表での公式戦は初めてだったが、世界に存在感を示した。「U―19でも世界のすごさは知れたと思うが、A代表というレベルの高いところでアジアの選手とできたことがすごい貴重な経験だった」と大きな収穫を得て帰国した。自身の強みは「どこからでも決められる得点力」と話す。今大会も積極的に3ポイントシュートにトライし、48・4%の成功率を記録した。「背の高い相手に対してステップバックで打てたことは自信になった」と充実の大会となった。

 一方で、自身のプレーが大きく試合に影響することも実感。予選では思うようなプレーができず、コーリー・ゲインズ・ヘッドコーチからは「お前のプレーをしっかりしろ」と言われたという。「消極的なプレーをしてしまうと、みんなもヘッドダウンしていいペースのできなかった。チームに帰っても、自分がチームの中心になりたい」と強い責任感を口にした。

 ベテラン勢はコート内外の田中の強みを語った。主将の高田真希(デンソー)は気持ちの強さを評価。

「初めて代表に選ばれた中でも、日本代表としてやっていく気持ちが1試合、1試合強くなっていた。自覚も芽生えている」とコメントした。3年ぶりに代表復帰した渡嘉敷来夢(らむ、アイシン)は「勝負所で思い切ったプレーをしてくれた。日本のバスケット界にとって明るいこと」とプレー面を分析。さらに、人懐っこいキャラクターだとも話した。「3ポイント、ナイスシュート。顔ドヤってたよ」と同じ愛知・桜花学園高の先輩にも物おじせず、コミュニケーションを取っているという。

 3年後のロス五輪へ向けても「この経験があったから、五輪でレベルの上がった自分を見せたい」と見据えた19歳。「チームを勝たせるポイントガードになりたい。自分が常に引っ張る意識でやっていけたら」と今後への目標を語った。

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