J1清水エスパルスは25日、J1浦和からFW高橋利樹(27)を完全移籍で獲得したことを発表した。新戦力はオフ明けの練習再開となったこの日から合流。

三保で約2時間のメニューを消化した後に会見し「出た試合全部で点を取る気持ちで挑みたい」と意気込んだ。8月6日の天皇杯4回戦・J1広島戦(Eピース)から出場可能で13位からの浮上に一役買う構えだ。

 新天地でたまったうっぷんを晴らす。高橋利は今季、浦和では3試合の出場にとどまり、無得点。「J1でやれるチャンスをもらった。気持ちを新たにチームに貢献したい。出た試合全部で点を取る気持ち」と並々ならぬ決意を明かした。

 不動の1トップを務めるFW北川航也(29)、パワーが魅力のFWドウグラスタンキ(31)ら他のFW勢にはない特長を持つ。秋葉忠宏監督(49)は「(元日本代表の)巻誠一郎みたい。汚れ役になったり、スペースに走ることもいとわない。シュートバリエーションがたくさんあり、我々(のチーム)にいなかった選手」と期待する。本人も「前線からのハードワークはもちろん、エスパにはいいサイドハーフがいるので、クロスに対して飛び込んでいきたい。

1トップでも2トップでも臨機応変に対応したい」とイメージを膨らませた。

 チームに溶け込むのにも時間はかからなそうだ。DF住吉ジェラニレショーン(27)は国士舘大の同級生。MF中原輝(29)、MF松崎快(27)ともかつて別チームで同僚だった。「一緒にプレーできるのはうれしい」。会見では背番号38の新たなユニホーム姿も披露した。「高校(埼玉栄)の時もオレンジ色だったので懐かしい気持ちになった」と白い歯を見せた。

 リーグは中断期間に入っており、次の公式戦は8月6日の天皇杯・広島戦。さらに同10日にもリーグ戦でアウェー・広島戦と同カードが続く。これまで静岡には縁がなかったというストライカーが、身も心もオレンジに染まり、真夏の反攻を演出していく。

(武藤 瑞基)

 ◆高橋 利樹(たかはし・としき)1998年1月20日、埼玉県生まれ。27歳。

大宮南ウイングス、「HAN FC」、埼玉栄高、国士舘大を経て20年に熊本(当時J3)入り。22年にはJ2で40試合14得点を挙げ、23年からJ1浦和入り。昨季は3月から横浜FCに期限付き移籍し、同オフに浦和に復帰した。J1通算15試合1得点。J2通算71試合18得点。J3通算55試合17得点。182センチ、76キロ。

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