静岡県が10年後の指標を示した「しずおかスポーツ産業ビジョン」が24日、静岡市内で公表された。昨年12月から有識者らが5つの施策を中心に議論を重ね、プロチームや企業、金融機関、自治体などを結びつける拠点として「静岡スポーツ・オープン・イノベーション・プラットフォーム(SOIP)」の設置も明かされた。
今後の成長が見込まれるとして、国がスポーツ産業拡大を推進する中、県は現状で2863億円と算出されているスポーツ産業市場の規模を10年後に4700億円まで増やす目標を掲げた。ビジョン策定会議のメンバーでもあったリーグワン・静岡ブルーレヴズの山谷拓志社長(55)は「明確に数字を出したのは画期的」とした上で、スタジアムやアリーナの施設面の重要性を強調。「静岡にはサッカー、ラグビーなど数多くのプロチームがある。稼いで投資、強いチームにする。このサイクルができれば、国内外から試合を見に来る人が増えます」と力説した。
市場拡大へ5つの施策とは、〈1〉見るスポーツの拡大〈2〉県内産業とスポーツ分野の共創〈3〉地域資源を活用した県外からの呼び込み〈4〉地域スポーツ振興〈5〉スポーツを支える人材育成。昨年度、レヴズとB2ベルテックス静岡が他分野の企業と取り組んだことを〈2〉のモデルケースにして、「静岡SOIP」を本格的に稼働させる。