◆陸上 全国高校総体 第2日(26日、ホットスタッフフィールド広島)

 男子100メートルのタイムレース決勝は、石川・星稜高2年の清水空跳(そらと)が10秒00(追い風1・7メートル)の日本歴代5位タイ、日本高校新記録、U20(20歳未満)日本新記録、大会新記録で優勝した。U18(18歳未満)の世界記録(10秒06)も更新した。

 9月の東京世界陸上参加標準記録(有効期間は24年8月1日~25年8月24日、男子100メートルは10秒00)もクリア。現時点で突破している選手はサニブラウン・ハキーム(東レ)と清水の2人だけのため、現状、日本陸連が定める日本代表選考基準で、清水は世界ランク18位のサニブラウンに次ぐ2番手に浮上した。

 世界陸上の男子100メートルの出場上限は48人。各国・地域3人以内とされている出場条件において、現時点で参加標準記録をクリアした選手は清水が30人目となった。

 参加標準記録クリア選手が48人に満たない場合、世界ランク順となる。日本勢では柳田大輝(東洋大)が3番手、桐生祥秀(日本生命)が4番手、井上直紀(早大)が5番手につけている。そのうち、柳田だけが世界ランクで出場圏内(48位)にいる。

 日本代表選考基準の優先順位は〈1〉日本選手権8位以内で参加標準記録クリア選手〈2〉日本選手権8位以内で世界ランクで参加資格を得た選手〈3〉参加標準記録クリア選手〈4〉世界ランクで参加資格を得た選手。

 日本選手権優勝の桐生と同4位の井上は参加標準記録を突破すれば代表に選考される。柳田は日本選手権予選でフライング失格だった。

 今後、8月24日までに10秒00に到達する選手が現れなければ、清水が高校生で日本代表となることが濃厚だ。その名の通り「空を跳ぶ」ような走りで、一躍、世界陸上が見えてきた。

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