宝塚歌劇花組大劇場公演 ミュージカル・ロマン「『悪魔城ドラキュラ』~月下の覚醒~」、Romantic Revue「愛, Love Revue!」兵庫・宝塚大劇場公演が20日閉幕した。東京宝塚劇場公演は8月16日に開幕する(9月28日まで)。

 「悪魔城―」は、株式会社コナミデジタルエンタテインメントのゴシックホラー・アクションゲーム「悪魔城ドラキュラ」シリーズを初のミュージカル化。トップスターの永久輝(とわき)せあは、人気ゲームが原作の今作に「人間じゃないものが主人公で描かれている作品だからこそ、人間の良さや、強さ、逆に弱さが浮き彫りになる。そういうところをうまく表現できたら」と意欲を語った。

 100年の眠りから蘇(よみがえ)るドラキュラ伯爵と、その息子・アルカード(永久輝せあ)、そしてヴァンパイアハンターの一族であるベルモンド家を中心とした英雄たちの果てなき戦いの物語を、宝塚歌劇ならではのオリジナルストーリーと演出で描き出す。華麗なマントさばきで、400年生き続ける主人公・アルカードを熱演する永久輝は「マントさばきや振る舞いで、400年生きてきた人の孤独感や、虚無感みたいなものがにじみ出れば」と日々精進を誓う。

 ショーはこれぞ宝塚といった、岡田敬二氏によるロマンチックレビューの第23弾。華やかなプロローグに一気に引き込まれる。永久輝は「一番は宝塚の魅力がこれでもかというほど詰まっていること。そして名場面のオマージュがいくつかあるので、歴代の素晴らしい先輩方がものすごい思いをかけて作っていらっしゃった場面に挑戦するというのは、私自身も男役として、そして宝塚の生徒としてもかなり気合のいること」と話す。

 永久輝が感じる今の花組の良さはダンス力だという。芝居のアクションシーンでも生かされており「ダンス力は年々高まっているなと、組に身を置きながら感じます。実際、目の前で繰り広げられる戦いの迫力を感じていただくという点では、今の花組のダンス力というものが生きるのではないかなと思っています」とにっこり。

真夏の東京公演も花組生が一丸となって、熱い舞台を届ける。(古田 尚)

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