◆第75回キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス・英G1(現地時間7月26日、アスコット競馬場・芝2390メートル、良)

 英国競馬の上半期総決算の大一番は3歳馬の出走はなく古馬G1馬の5頭立てで行われ、カランダガン(セン4歳、仏・フランシスアンリ・グラファール厩舎、父グレンイーグルス)が、単勝2・1倍の1番人気に応えて制覇した。前走のサンクルー大賞に続くG1連勝。

ミカエル・バルザローナ騎手はキングジョージ初勝利。グラファール調教師は昨年、ゴリアットで制しており、2年連続の勝利となった。勝ちタイムは2分29秒74。

 レースはヤンブリューゲルが逃げ、カランダガンは最後方から。4番手から進めた牝馬のカルパナが、最後の直線では先に先頭に立ったが、カランダガンは外から抜群の切れ味で突き抜けた。

 同馬のオーナーは今年2月に死去したアガ・カーン4世殿下。昨春、重賞を3連勝したが、G1では勝ち切れず4戦連続の2着続きだった。英インターナショナルS、英チャンピオンSで惜敗し、今春のドバイ・シーマクラシックではダノンデサイルに及ばず2着。2走前のコロネーションCでは、今回のキングジョージで4着のヤンブリューゲルに敗れていた。6月29日に地元フランスで行われた前走のサンクルー大賞で、5頭立ての後方2番手から差し切って待望のG1初制覇をしていた。

 カルパナ(オイシン・マーフィー騎手)が2着。レベルスロマンス(ウィリアム・ビュイック騎手)が3着。

ヤンブリューゲル(ライアン・ムーア騎手)が4着で、コンティニュアス(ウェイン・ローダン騎手)は5着だった。

 キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスは1着賞金が85万650ポンド(約1億6735万円=2025年JRA発表のレート1ポンド196・7390円で計算)。最近では名牝エネイブルが2017、19、20年の3度制覇。昨年はブービー人気タイのゴリアットがその年の凱旋門賞馬、ブルーストッキングを撃破してV。日本調教馬は1969年のスピードシンボリ(野平祐二騎手=5着)から、これまで6頭が挑戦し、2006年のハーツクライ(クリストフ・ルメール騎手)の3着が最高着順となっている。

 なお、カランダガンはセン馬のため、今秋の凱旋門賞・仏G1(10月5日、パリロンシャン競馬場・芝2400メートル)への出走権はない。

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