日本テレビは28日、元TOKIO・国分太一のコンプライアンス違反覚知から番組降板を巡る一連の対応について調査にあたった、ガバナンス評価委員会の意見書(中間とりまとめ)を公表した。意見書ではプライバシー保護の観点からコンプライアンス違反の内容を一切明かさなかったことは「やむを得ないものと思われる」と評価された。
日テレは先月20日、国分にコンプライアンス上の問題が複数あったと公表。同日に臨時取締役会を開き、同局系「ザ!鉄腕!DASH!!」(日曜・午後7時)の国分降板も決めた。しかしプライバシー保護を理由に事案の内容をはじめ、被害者の有無なども一切公表しなかったことに対し、疑問の声が上がった。
意見書では「いついかなる場合も名誉・プライバシーの保護を理由として、事案・事象の詳細を控えることを是とするものではない」とした上で、「様々な要素等を考慮した場合、コンプライアンス違反ということ以上に具体的な説明を行うことは難しく、本件に関する説明としてはやむを得ないものと思われる」と評価した。
意見書では日テレは、事案覚知をした翌日の5月28日には関係部局の幹部および担当役員らに報告され、経営上層部の会議を実施し外部弁護士に調査を依頼するなど迅速な対応をとっていたことが明らかになった。評価委員会は同局のガバナンスが「有効に機能していたと評することができる」とした。
コンプライアンス違反の詳細を伏せた点が、国民の知る権利に応える報道機関として正しかったか、という点についても言及。「本件に関しては、取材・報道ではなく、企業の事業活動に伴って発生した不祥事案に対する説明・対応が求められているものであって、取材・報道活動を行う放送事業者としての『国民の知る権利に奉仕する説明責任』とはやや次元が異なると言わざるを得ず、あくまでも説明責任の果たし方という観点から適否が判断されるべきものである」とした。また、国分が所属する事務所ではなく日テレが先に公表したことは「情報の管理、関係者らの名誉・プライバシーへの配慮が強く求められたことから、すべての事情を掌握している日本テレビが先んじて公表することが最適と言える」と評した。