俳優の市村正親、お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹らが29日、音楽劇「エノケン」(10月7日、日比谷シアタークリエで開幕)製作発表会見を行った。東京、大阪、佐賀、愛知、川越をまわり、公演を行う。
同作は、人を笑わせることに命をかけた喜劇俳優・榎本健一さんの波乱の人生を又吉が新作戯曲として描き下ろし、市村が主演する新作舞台。市村は「エノケンという日本の喜劇王の役をやるってことは、僕の俳優人生の非常にいい挑戦になる」と話す。
榎本健一さんについて「エノケンという人は役者として非常に魅力があるし、尊敬するところがある」とし、「僕も舞台に立ち始めて今年で52年。市村という役者がエノケンのなかに入り込んで、いい人生を生きられたらいいなと思っています」と舞台人としての思いを語った。
また、共演の本田響矢から舞台前のルーチンを聞かれると、市村は「劇場でウォーミングアップしてると、みんなが順番にあいさつに来ちゃって、ウォーミングアップにならないので劇場に来る前にやってる。外でマグマヨガとかやって汗をかいて、シャワー浴びて、体温を上げて劇場に来る。あとは、初めての劇場の時は、一番後ろの一番端っこの席に座ってみて、ここで見てる人にもちゃんと芝居が届かなくちゃいけないな、ということを考えます」と明かした。
脚本を務める又吉は、身近な喜劇王について問われると、相方の綾部祐二をあげ、「彼は『俺を見ろ』『俺が主役だ』っていうマインドみたいなものは、部分的にエノケンさんに通じる。実力は置いといてですが…」と話した。
座付き作家役で出演する豊原功補は「にぎやかで今の時代では味わえない、コンプライアンスうんぬんとは言ってられないような内容になるんではないでしょうか」という。報道陣に「豊原さん自身は昭和にどっぷり?」と聞かれると、「自分ではそんなつもりはないんですけど」と回答も。隣の市村から「(豊原は)昭和そのものですよ。