◇明治安田J2リーグ第24節 札幌1―0鳥栖 (2日・大和ハウスプレミストド―ム)
鳥栖戦は4バックから3バックに変更した。宮と浦上が入り高尾も守備ができる。
もう1人、GK高木の存在が大きかった。好セーブに目が行きがちだが、前半18分、相手のロングボールに前に出てきて、右の高尾に短くつないだ場面があった。少しのちゅうちょもないあのような対応をされると、相手は「蹴っても無理」となり、選択肢を狭めさせることができる。「後ろにああいう選手がいるので簡単じゃない」と鳥栖に思わせた高木が素晴らしかった。
守備時は5バックにし、前に出過ぎずに守ったことがうまくはいった。ただ攻撃面でいうと札幌の好機はほぼなかった。得失点差マイナス8という状況を考えても、J1を目指すとなったら爆発力が必要。この試合のようにコツコツと勝ちを積み重ねるのはシーズン序盤の戦い方。トップ下に青木のような決定的な仕事ができる選手を入れて攻撃の違いを見せることは必要。
まずは相手のFWが取り残されるくらい、全体でラインを上げる。そうしないと鳥栖戦のようにFWとボランチの間のボールをほぼ取られてしまうし、ボランチが前に出て行かなければ攻撃はスムーズにならない。そうした際、中断前の悪い時のようにボランチとDFの間のバイタル(ゴールにつながるプレーが起きやすい場所)を使われる可能性は出る。ただそこは3バックの1人が前に出て行き、サイドバックが中に絞って4バックにするとか可変していけばいい。厳しい位置にいるのは確かなのだから。思い切って行くところは行くことが、今の形をより良くしていくことにつながる。(吉原 宏太、1996~99年札幌FW)