歌舞伎俳優の中村勘九郎が3日、東京・歌舞伎座で初日を迎えた「八月納涼歌舞伎」(26日千秋楽)の第3部「野田版 研辰の討たれ」に出演した。

 野田秀樹氏の脚本・演出による野田版歌舞伎の第1弾として、2001年8月の歌舞伎座「八月納涼歌舞伎」で初演し、シネマ歌舞伎でも愛された名作。

05年以来20年ぶりの上演で、父・18代目中村勘三郎さんから辰次役を受け継ぐ勘九郎は「父が辰次なのか勘三郎なのか分からないほど憑依(ひょうい)していた革新的な舞台。新しい世代の皆様とつくり上げることが本当に楽しい」と話している。

 上演後、拍手が鳴り止まず、歌舞伎では極めて異例のカーテンコールが行われた。一度閉じた定式幕が開くと、舞台上の勘九郎が野田氏を呼び寄せた。客席から花道を通って舞台中央に姿を見せた野田氏は、勘九郎とガッチリと握手。場内は盛大なスタンディングオベーションに包まれた。

編集部おすすめ