静岡市で陸上界の“快足ツインズ”として注目を集める小森妃翠(ひすい)、姫華(ひめか、ともに12)の兄・玲音(れおん、15)=いずれも精華清水RC=が、17日開幕の全日本中学校選手権(沖縄市)で男子400メートルに出場する。将来は競輪選手を目指すアスリート一家の三男。
小森家のアスリートは、県内の小学生記録を塗り替え続ける双子だけじゃない。ともに大学生でサッカー、陸上に打ち込む兄2人を持つ飯田中3年の玲音は「全国では決勝に残りたいです」と強気に誓った。
6月28日の県中学校選抜(エコパ)では、奇跡的な走りで全国切符をもぎ取った。3週間前のレースで右太もも裏を肉離れ。400メートルの全国参加標準記録は51秒40で、それまでの自己ベストは51秒79だった。「1本しか走れない状態でしたが、自分の全部を出し切ろうと思っていました」。患部にテーピングを施して臨むと、課題のラストも失速せずに51秒21をたたき出した。同種目で県から5人の全国出場選手に名を連ねた。
所属する精華陸上RCの代表を務める5人きょうだいの父・清敬さん(51)は中距離、母・弘美さん(51)は円盤投げで学生時代に全国大会を経験。父が「何でもまじめに取り組む」と評する三男は、一緒に練習する2人の妹にもよく声をかけている。高校進学後は、父が携わったこともあった競輪の世界に進む考えを持っている。
〇…双子の姉で小学6年の妃翠は、11月の全国小学生交流大会(日産スタジアム)で女子100メートルの連覇を目指す。父・清敬さんによると「同学年に決勝レースで100戦以上負けたことがない」強さで自己ベストは12秒90。「このまま負けないで小学校を卒業したい」と誓った。妹・姫華は23日の東海大会(三重)でコンバインドA(80メートル障害、走り高跳び)に出場。短距離から最近は800メートルにも挑戦する中、経験の少ない種目だが「自己ベストで優勝したいです」と宣言した。