プロボクシング元WBC世界ミニマム級(47・6キロ以下)王者・重岡優大(28)=ワタナベ=がインスタグラムで現役引退を表明したことについて、所属するワタナベジムは14日、改めて優大が引退を決意したことを報告した。
同ジムの渡辺均会長は優大のこれまでの活躍を伝えるとともに、「今回の引退は、銀次朗選手の療養を支えながら、自らの新たな夢へと歩みを進めるための、優大選手自身の強い決断」と明かした。
優大は前日、「先日、弟・銀次朗が熊本の病院に転院しました。そして今日、俺・優大はボクシング引退を決意しました。」と投稿。現役引退を表明した。優大の弟で前IBF世界同級王者の銀次朗(25)=ワタナベ=は5月24日に行われた世界戦後に急性硬膜下血腫のため緊急開頭手術を受け、このほど、大阪市内の病院から故郷の熊本県内の病院に転院。日本ボクシングコミッションによると、6月下旬に集中治療室(ICU)から一般病棟に移っていたが、現在も意識は回復していないという。
優大は「今は熊本の病院で、1日3時間・3種類のリハビリに挑戦中です。『諦めるなよ、頑張れよ』と毎日声をかけ、あいつの心の炎を消さないよう支えています」となどと明かした。弟を思いやる兄は「これから『ここに行けば銀次朗に会える!』そんな場所を作ります。それが俺の新しい夢です。
後悔はありません。ここからが本当の勝負だろ。空手やボクシングで学んだこと一毎日コツコツ、日々努力、継続は力―を胸に、新しい道で銀と一緒に花を咲かせます」と投稿。インスタグラムのストーリーズ機能でも「辛くも楽しい最高な格闘技人生でした。勝負はここから。俺はまだ燃え続けてるよ」と炎の絵文字を添えて、強い決意を示した。
優大は2019年10月にプロデビュー。4戦目の21年11月、WBOアジアパシフィック同級王座を獲得すると初防衛後に返上。22年11月には日本王座を獲得した。23年4月、WBC世界同級暫定王座決定戦でウィルフレド・メンデス(プエルトリコ)に7回KO勝ち。
戦績は9勝(5KO)2敗。
【ワタナベジム会長コメント】
このたび、ワタナベジム所属の重岡優大選手が、プロボクサーとして引退する決意を固めましたことをご報告申し上げます。
優大選手は幼少の頃から格闘技を始め、弟・銀次朗選手と切磋琢磨しながら数々のタイトルを獲得し、ついには世界チャンピオンの栄冠にも輝きました。その努力と闘志、そしてリング上での誠実かつ果敢なファイトは、ジム関係者のみならず、多くのファンの心を魅了してまいりました。
今回の引退は、銀次朗選手の療養を支えながら、自らの新たな夢へと歩みを進めるための、優大選手自身の強い決断です。これまで培ってきた努力、忍耐、仲間との絆を胸に、これからは“人生というリング”で弟を支え、重岡兄弟としての新たな挑戦を続けてまいります。
これまで優大選手を応援し、支えてくださったファンの皆さま、スポンサー各位、並びに関係者の皆さまに、心より感謝申し上げます。ワタナベジムとしても、これからの優大選手の歩みを全力で応援してまいります。
重岡優大選手、本当にお疲れさまでした。
ワタナベボクシングジム
会長 渡辺 均
スタッフ一同