金曜ロードショー(後9時)は”夏の風物詩”でもあるスタジオジブリ作品の連続放送がスタート。一発目の15日は、高畑勲監督の「火垂るの墓」(1988年)が放送される。
物語の舞台は終戦間近の神戸。清太と節子の兄妹は、空襲による混乱の中で母と離ればなれになってしまう。清太が次に対面した時、母は変わり果てた姿となっていた。自宅が焼失し、帰る場所を失った兄妹はその後、親戚のおばさんの家に身を寄せることとなった。
だが、戦争が続く中で食料が底をつき始めると、気持ちがすさみ、関係が悪くなってしまう。節子のことを何よりも第一に考えていた清太は、おばさんの家を出ることを決め、防空壕(ごう)を見付けてそこで住み始める。夜は蚊帳の中に捕まえた蛍を放って明かりとするなど、工夫をしながら楽しく暮らしていた2人だったが、子供だけの生活は徐々に立ち行かなくなる…。
「昭和21年9月21日夜、僕は死んだ」という冒頭の清太のセリフ、空襲で亡くなった人の描写など、衝撃的なシーンがいくつか含まれており、残酷とも取れる点が最近の若い子たちには避けられているといった話もある。ただ、だからこそ今後を担う世代の子供たちに見せなければいけない作品であるというのが記者の考えだ。記者が子供の頃は、小学校に「はだしのゲン」の漫画があり、それを見て「なんて原爆というのは怖いものなんだろう」ということを学んだ。
最近では国内ではほとんど目にすることがなくなってしまった「―ゲン」だが、先日NHKの「プロジェクトX」で特集されたように、今米国では同作品は注目を集めている。
と、話は少しズレてしまったので本題に戻ると、本作で”キーアイテム”として登場するのがドロップ。節子のように缶を振ってカラカラとやるのは、記者の同世代では誰もがやったことあるはずだが、残念ながら現在はかなわなくなってしまった。
「サクマ式ドロップス」を製造していた佐久間製菓は23年1月に廃業。114年という一世紀以上の歴史に幕を閉じてしまった。新型コロナに伴う販売の落ち込みに、原材料高が重なったことで、経営が悪化したのが理由だったという。
これを聞いて「えっ、今も売ってなかったっけ?」と思う人がいるかもしれない。実は、現在も販売されているのは「サクマドロップス」。これは名前が似ている「サクマ製菓」という会社が販売している別商品。「サクマ式―」が赤い缶だったのに対して、こちらは緑色の缶に入っているのが特徴。ちなみに現在は「鬼滅の刃」とコラボして、16種類のデザインで販売されています。