その時がついにやって来た。今年の新種牡馬の目玉、コントレイルを現役時代に管理した矢作厩舎が初めて産駒を送り出す。

特に注目は17日の札幌5R・2歳新馬(芝1800メートル)で初陣を迎える牝馬のジーティーメティオ。矢作調教師は偉大な父の姿を重ねつつ、熱い視線を送る。

 今週は函館・芝コースで3頭併せ。余力残しで大外から5ハロン67秒8―11秒6。2頭に1馬身先着した。「思った通りのいい動き。産駒は全体的に素直な馬が多いけど、なかでも素直で操縦性が高い。体はもろにコントレイル。シャープな感じだね」。多くの産駒を見てきた矢作師は特長を踏まえつつ、期待を寄せる。

 20年の無敗3冠など輝かしい現役時代に4歳秋で別れを告げ、早い段階で第二の道を選択。矢作師は遺伝子を受け継ぐ子供たちを待ちわびていた。

「緊張するよな。コントレイルの子供をずっと待ち望んでいて、こんな素質ある馬を送り出すんだから」。父から子へ―。新たなドラマを描いていく。(山本 武志)

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