13日午後9時半ごろ、大阪市此花区の大阪・関西万博会場につながる唯一の鉄道路線、地下鉄大阪メトロ中央線で車両に電気を供給するレールが停電し、運転を見合わせた。来場者約3万人が人工島・夢洲(ゆめしま)に一時足止めされ、大勢が帰宅できなくなり会場内で一夜を過ごした。
万博会場の夢洲から公共交通機関やタクシーを使わずに“脱出”するには夢舞大橋を渡って、舞洲まで行くしかない。徒歩なら約45分。台数に限りはあるが、サイクルシェアなら約15分。ここからJR桜島駅にバスが接続している。ただ午後10時台のバスが最終で、大阪メトロ中央線が運転を見合わせた時間を考えると、現実的ではない。
かつては夢洲と桜島駅近辺を結ぶ此花大橋(全長1.6キロ)を歩いて渡る人もいた。だが、万博開催による工事のため、21年12月から歩道が通行止めに。現在は北側の常吉大橋を渡る手段しかないが、迂回(うかい)経路となるため、JR安治川口駅や桜島駅までは倍の2時間近くを要してしまう。SNSによると、深夜の淀川沿いを歩く万博帰りの観光客もいたようだが、蒸し暑い中では地獄の行程。よほどの健脚でなければ厳しいだろう。