ラグビー日本代表のエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC、65)が14日、オンライン取材に応じた。30日のカナダ戦から始まるパシフィック・ネーションズカップ(PNC)に向けて15日から合宿に臨む日本は、7月のウェールズ戦で主将を務めたFWリーチ・マイケル(36)=BL東京=が不在。

指揮官は次世代のリーダー育成とともに「将来的には日本人の主将をつくらないといけない」と語った。桜の戦士を率いる将来の主将候補を、ラグビー担当・大谷翔太記者が「占う」。

 ジョーンズHCが、27年W杯オーストラリア大会に向けた使命感をにじませた。ウェールズ戦で主将を務めたリーチは、個別の事情で今回は不在。15、19年W杯でも桜の戦士を率いた36歳を「いまだにずば抜けたキャプテン」と認めた上で「次世代のリーダーを育成しないといけない」。加えて「将来的には日本人(出身)のキャプテンをつくらないといけない」と語った。

 指揮官は昨年、初キャップ選手20人を招集するなど若返りに着手。ただ、主将はリーチや現在35歳のBK立川理道(東京ベイ)が主に務めた。主将はグラウンド上のパフォーマンスだけでなく、外国人審判との意思疎通など役割が多岐にわたる。一人で二役も三役も担い、冷静な状況判断も求められる重責だ。

 次期主将候補としては23歳ながら23キャップでニュージーランド出身のディアンズらがいるが、指揮官は「日本出身」に言及。海外出身選手の日本ラグビーへの貢献度は計り知れない。

承知の上で、同HCは今月上旬に「日本人がリードするようなチームをつくらなければならない。リーダーシップの精神を育成しないといけない。現状、選手たちはそういう感覚を持っていないのではないか」とコメント。日本代表への責任と誇りを促す狙いも透けてみえた。

 日本出身では、SH斎藤直人、フッカー原田衛、BK長田智希らが候補となる。

 斎藤は早大4年時に主将で大学日本一。24年からフランス1部トゥールーズで海外経験を積んでいる。今シリーズは不参加だが、日本を引っ張る存在の一人だ。

 原田は第2次エディー政権で初キャップを獲得。BL東京では副将として、“闘将”リーチの哲学を間近で学んだ。来季から南半球最高峰のスーパーラグビー・パシフィックにも挑戦するなど向上心にもたける。

 長田も原田に遜色ないストイックな選手。

時間があればクラブハウスで汗を流すなど、背中で見せるタイプだ。埼玉では「コアメンバー」としてチームをけん引。攻守で体を当て続け、鼓舞する。

 ジョーンズHCは新主将候補について「誰が担うかは、初戦で発表する」とPNCのカナダ戦で明らかにすることを示唆。リーダー発掘とともに「昨季は2位で終わったが、さらに上位で終えたい」と優勝を誓った。(大谷 翔太)

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