7月の全国高校総体の男子100メートル(追い風1・7メートル)で日本歴代5位に並ぶ10秒00で優勝した石川・星稜高2年の清水空跳(そらと、16)が19日、石川・金沢市内で練習を公開した。

 高校総体では、U18(18歳未満)の世界最高(10秒06)も上回り、2013年に桐生祥秀がマークした10秒01の高校記録も更新。

東京世界陸上の参加標準記録(10秒00)にも到達し、時の人となった。東京世界陸上(9月、東京・国立競技場)は、男子400メートルリレーの代表入りの可能性も残しており、清水は「一番の目標である世界陸上のリレーメンバーに選出されて、そこで走れる準備をしたい。シニアの舞台で世界でっていうことは想像できないことなんですが、本当に頑張りたいな」と気持ちを高める。

 暑さがピークになる前の8時15分にグランドに姿を現し、約1時間半、汗を流した。高校総体後初の練習公開とあって報道陣30~40人が集結。海外からもドイツのテレビ局が訪れるなど注目度の高さを示した。清水の存在はドイツでも知られており、「ヴンダー(奇跡)スプリンターなどと言われていますよ。ドイツで日本人が注目されるのは、サッカー選手ではいますが、陸上では珍しいですね」とドイツテレビの関係者は話す。

 清水自身は注目されることに対し、「自分を越えなきゃいけないみたいなそういう壁はつくっていないですが、周りはいろんなことを思うと思うので。そこはちょっと気にする部分ではあるんですけど、自分は自分なりに行こうと思います。周りは気にせず頑張りたい」と冷静に今を見つめる。

 将来へのビジョンも明確だ。

「今16歳なので来年の17歳には9秒台を出して、その先、3年後、19、20歳になるときはロサンゼルスオリンピックが目標。高校生で9秒台、そこに向かってまずは走りたい」。伸び盛りの16歳は、大きな夢に向けひた走る。

 ◆清水 空跳(しみず・そらと)2009年2月8日、石川・金沢市生まれ。16歳。両親、姉が陸上をしていたことがきっかけで、小学4年生から始める。石川・長田中3年時に全日本中学校選手権200メートル優勝。昨年、星陵高に進学し、7月にサニブラウン・ハキームの100メートルの高1歴代最高記録を更新する10秒26をマーク。同年の全国高校総体は2位。今年5月に10秒20、同7月の日本選手権で10秒19と自己ベストを更新。憧れの選手は桐生祥秀、山縣亮太。164センチ、56キロ。

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