箱根駅伝3連覇を目指す青学大の飯田翔大(かいと、2年)は19日、自身のSNSで「急速進行型脱毛症」を発症していることを明かした。「ストレス性とされていますが、詳しい原因は不明で完治するかどうかも人それぞれと言われています。

治療に関しては、専門医やチームトレーナーと相談しながら慎重に進めています」などと記した。

 飯田は鹿児島・出水中央高時代に5000メートルで日本高校歴代4位(当時)の13分34秒20をマーク。昨年、鳴り物入りで青学大に入学した。1年時は学生3大駅伝で出番はなかったが、実業団と大学の男子トップチームが対決したエキスポ駅伝(3月)ではエース区間の3区で区間6位と好走。原晋監督(58)は「今季の第102回箱根駅伝(来年1月)では(主力が担う)往路の候補」と大きな期待を寄せている。

 「病気のことを公表するかどうかは、本当に悩みました。日常生活から心の状態に左右されやすい性格であるため、公表しない選択肢もありました」とつづる。現在、脱毛の症状はあるが、それ以外、体調に大きな問題はなく、長野・菅平高原で行われた長期合宿にも参加し、順調に練習を積んでいる。8月11日に行われた菅平高原合宿恒例の上り坂トライアルでは、エースで主将の黒田朝日(4年)、鳥井健太(3年)に続き、チーム3位と力走した。「飯田はよく頑張っています」と原監督も高く評価した。

 飯田は「改めて、チームメート、マネージャーさん、スタッフ陣、スポンサーの方々、応援してくださるファンの皆さん、多くの人の支えによって陸上競技に取り組めていることを強く感じています。もちろん、病気を抱えているからといって陸上競技を諦めたわけではありません。

青山学院大学に所属している以上、箱根駅伝優勝という目標は変わりません。すぐに結果を出す自信はありませんが、残りの大学駅伝期間を通して少しずつ感謝を結果という形で返せるよう努力していきます」と感謝と決意の思いを明かしている。

 箱根駅伝3連覇に向けて、青学大のキーマンのひとりとなる飯田は、さまざまな思いを胸に秘めて、夏、地道に走り込み、駅伝シーズンに向かう。

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