7月の全国高校総体男子100メートルを日本歴代5位に並ぶ10秒00(追い風1・7メートル)で制した、16歳の清水空跳(そらと、石川・星稜高2年)が19日、「9秒台」に意欲を見せた。金沢市内で練習を公開して約2時間、ミニハードルなどで汗を流した。
高校総体では、U18(18歳未満)の世界最高(10秒06)を塗り替え、憧れの桐生祥秀(29)=日本生命=が持っていた10秒01の高校記録も更新するなど衝撃を与えた。この日はドイツのテレビ局も含めて約20社の報道陣が取材に訪れた。ドイツでは新聞やテレビでも取り上げられており「ヴンダー(奇跡)スプリンターなどと言われている」と関係者。「SHIMIZU」の名は早くも世界に届いている。
世界陸上の参加標準記録(10秒00)はクリアしているが、出場の可能性は400メートルリレーでわずかに残すのみ。それでも「一番の目標なので走れる準備をしたい。走るなら1走を。スタートは自信がある」と思いは強い。164センチのスプリンターは、世界への階段をひた走る。(松末 守司)