◆第20回キーンランドC・G3(8月24日、札幌競馬場)
目指すべき場所が先でも妥協はしない。サマースプリントシリーズ第5戦、第20回キーンランドC・G3(24日、札幌)でNHKマイルC勝ち馬のパンジャタワーが始動する。
先週まで函館で調整。2週前追い切りに松山が駆けつけ、主戦が不在だった1週前は負荷をかけるために佐々木が騎乗した。Wコースで5ハロンこそ68秒6だが、ラスト1ハロンは11秒8とパワフルな伸び脚。「(佐々木が)めちゃくちゃ動くと言ってくれました。コーナーでも上手にスピードに乗って、集中力を維持していました」と五十嵐助手はうなずく。16日に札幌入りした後も調整は順調だ。
重賞となった06年以降、昨年まで3歳の出走は38頭で、G1ホースは08年のゴスホークケン(10着)のみ。すべては優勝賞金が5億円を超える豪州のドリームレースへ、いい状態で向かうため。五十嵐助手は「オーストラリアに行く前に1回使いたい。間隔を考えると、キーンランドCがベストということですね」と説明する。
NHKマイルCは状態のよさで波乱を演出したが、本来はスピードが身上。距離短縮に不安はない。「春は本当に幼かったけど、そのあたりは抜けてきました。ジョッキーも1500メートルに対応できるイメージで乗ると思います」と同助手。海を越えた夢へ向け、北の大地から大きな一歩を踏み出す。(山本 武志)