J1清水エスパルスは21日、アウェー・福岡戦(23日)に向け、三保で一部非公開調整した。前節(16日)の横浜M戦で約3か月ぶりのゴールとなる今季9得点目を決めたFW北川航也(29)は、J1で7年ぶりとなるシーズン2桁得点に意欲。

「チームに貢献するプレーをすれば自然とボールは転がってくる」と語るエースが量産態勢に入り、3試合ぶりの白星をつかみにいく。

 復調への手応えは、明るい表情にも表れていた。報道陣に公開された冒頭のアップ中も清水・北川はハツラツと動いた。「点を取れないより、取れた方が状態もモチベーションも良くなる」。3月以来、今季2度目の2戦連発に向け気持ちを高ぶらせた。

 直近2試合は先発を外れたが、前節の横浜M戦(1●3)は後半からピッチに立ち、同45分、左クロスに反応して左足でゴール。5月25日の神戸戦以来の得点で最低限の意地を見せた。試合後は「5月以来というのは情けない。ここから取っていければ」と誓っていた。

 昨季J2で12得点しているが、J1でシーズン10発をマークすれば18年以来となる。「シーズン開始から通過点として目指してきた。硬くなりすぎず、チームに貢献するプレーをすれば自然とボールは転がってくる」と意気込む。

昨年は第19節の藤枝戦で9点目を記録したが、10点目は第31節の山口戦。今季は“マジック1”から間髪入れず大台に乗せる。

 前節は試合途中から自身が得意とする2トップが採用された。新戦力のFW高橋利樹(27)、FWアルフレド・ステファンス(30)と組み、シュート3本を放った。「自分は(1トップでも)どちらでも対応できる」の言葉通り、新たなオプションも有効に使いながら福岡の守備を揺さぶっていく。

 高橋利らに加え、故障していたFWアフメドフ(30)の復帰も秒読み段階に入った。FWのサバイバルが激化しているが「競争があるのはいいこと。その中で勝っていけばもっと成長できる」と言い切る。頼れるエースが豪快な一撃で博多の夜を彩る。

(武藤 瑞基)

  〇…秋葉忠宏監督(49)は「失点が安すぎる」と激怒した前節の横浜M戦を踏まえ「もう一度基本を徹底しよう」と選手にハッパをかけた。19日の公開練習ではDF陣を集めクロス対応やラインコントロールをチェック。福岡は現役時代の97年に在籍した古巣に当たる。

指揮官は「イケイケな気質がある。ホームではよりその傾向が強くなるので、後手を踏む訳にはいかない」と真っ向勝負する構えだ。

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