サッカー日本代表の松本良一フィジカルコーチが21日、千葉市内で合同取材に応じた。

 松本コーチは来年6月に行われるW杯北中米大会に向け「今回のW杯は壮大なスケールで行われる。

まずは米国、カナダ、メキシコのことを考えないといけない。それぞれの環境を私が知らなければならない。W杯の出場決定前から、行動に移して実際に現地に足を運びいろんな活動をした」と明かした。

 まずはカナダ、そして24年の南米選手権(米国)を視察した。「試合がどのような環境下で行われるのか、その中で選手がどのようなプレーを行っているのか。試合が進むにつれてどのように選手が疲弊していくのか。パフォーマンスが変わっていくのかを調べていた」。今年のE―1選手権後にも米国を訪れ、試合の視察を重ねたという。

 ベースキャンプ地選びについても「(年末の抽選会で)組み合わせが決まっても、そのベースキャンプ地を取れる保証もない。第1、第2、第3候補、あとは西、中央、東に入ったとしても、(場所によって)気候、移動距離も変わってくる。いろいろな候補を探している」とし、10会場以上を見てきたと語った。

 14年ブラジル大会では日本代表は前評判が高かったものの、涼しい場所から暑い会場に移動して試合を行うなど、コンディションづくりの失敗もあり1次リーグ敗退となった。

18年から代表に携わる松本コーチは「(14年は)ベースキャンプ地の気温が低かったり、ベースキャンプ地から試合までの会場が非常に遠かったということもある。まずはその辺もアップデートしながら(やりたい)。どの組に入ったら何日に開幕するか(を踏まえ)、どこでプレキャンプを行ったり、トレーニングマッチを組んだりとか。どこでやろうかというのは考えている」と慎重に話した。

 さらに、「(ベースキャンプ地は)基本は試合会場に似た環境がいいと思う。ただ、テキサスのスタジアムはエアコン付きであるとか。決勝の舞台のニュージャージーに行くとどうしても暑くなるなど、考えながらやらなくてはいけない。何がベストなのかを今、いろいろ考えている最中」と模索した。

 松本コーチを中心に、W杯出場決定(今年3月)よりもかなり前から米国大陸の対策を入念に行っている。「出場が早く決まったので、早く動けるということと、サッカー協会の方の協力で出場が決まる前にコパアメリカに視察に行かせていただいた。世界で一番(日本が)動いているのかなと思いきや、現地に行くと、『(すでに)何か国か来ているよ』という話も聞いた。もう(他国も)動いてるのかというのが現状。

ただ、せっかく早く(W杯が)決まったので、早く動けるメリットを最大限に生かして、今後も準備を進めていきたい」と見据えた。

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