双子のお笑いコンビ「吉田たち」が東京・名古屋・大阪を巡る単独ツアー「吉田たち東名阪ツアー『たち噺』」(29日名古屋・大須演芸場、9月26日東京・ルミネtheよしもと、11月13日大阪・なんばグランド花月)へ向け、取材に応じた。

 結成16年以上の漫才師が戦う「THE SECOND~漫才トーナメント~2025」で今年、ファイナリストとなった吉田たち。

久しぶりの単独ツアーへむけても兄・ゆうへいは「初めて決勝に出させていただいて、思うような結果出なかったんですけど、次の大会あると信じて。それに向けてええネタを1本でも多く作れたらと思っています。そのネタを今のうちに単独ツアーで見ていただけたら」と思いを込めた。

 ツアーの千秋楽となる11月13日は双子の誕生日でもある。会場となるNGKも双子が生まれた1987年11月に開館したため「勝手に運命を感じている」とゆうへい。弟・こうへいも「1年に1回死ぬまでNGKで単独をやりたい。見に来てくださる方も同世代ぐらいの方が多いと思うので年に1回この日だけは集まって一緒に年をとっていければ」とNGKでの単独ライブという形で誕生日を迎えることをかみしめた。

 結成18年。上方漫才大賞新人賞や奨励賞、上方漫才協会大賞大賞など様々な賞を受賞し、実力派漫才師の同コンビ。だが、「M―1グランプリ」との相性は悪く、2015年からラストイヤーの22年まで8年連続で準々決勝止まりだった。20年からラストイヤーまでの時期が「コンビとして一番しんどかった」(こうへい)といい、「メンタルがお互いにちぐはぐしていて、まわりにも心配をかけていた」(ゆうへい)と振り返った。

 「優勝するまで卒業はできない」と双子は今も賞レースで戦う道を選んでいる。

今年、「THE SECOND」で初のファイナリストに。ずっと苦楽をともにしてきた後輩・ツートライブの優勝を目の前で見た。「次はやっぱり自分たちがトロフィーを掲げたいなっていう思いは、余計に強く感じました」とゆうへい。こうへいも「ツートライブが優勝した瞬間は『おめでとう』と思ったんですけど、後日に劇場とかで会って、『東京のテレビの仕事行ってきました』とか話を聞くんで、優勝してたらそれが僕らだったのかなと想像してしまった。今年のテーマはネタで、もちろん優勝するためにやる。でもそれだけじゃなくて、そういう番組に呼ばれた時の準備も、1年かけてしっかりしていきたい」と悔しさをにじませながら「次」への思いを明かした。

 さらに、ゆうへいは現状への素直な思いを吐露する。「今の生活を抜け出したいんです。給料も10年ぐらい変わってない。まわりと比べちゃだめですけど、やっぱり比べて、頑張らなくちゃいけないなと思っています。本当に今はただ食えてるだけ。『ノーマル』なんで。

もう一つ抜けて、金持ちになりたいですね」

 生涯漫才を、コンビを続けることは確定事項か。聞けば、こうへいはこう答えた。「確定…させたいですね。自分らが漫才していたいというのももちろんありますけど、今まで助けてくれた周りの人たちと、ずっと一緒にいたいっていう思いが結構でかいです」

 「次」へつなげる第一歩が単独ツアーとなる。「原点回帰のような部分も入れられたらと思っています。今回は3か所ですが、いずれは北海道から沖縄まで全部回りたいと思っているので、よろしくお願いします」(こうへい)。双子コンビは今も挑戦のさなかにいる。(瀬戸 花音)

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