オペラ芸人で歌手のミッチェル(本名・栗林美智瑠=くりばやし・みちる)さんが18日、子宮体がんのため都内の自宅で死去していたことを25日、所属事務所の吉本興業が発表した。47歳だった。

葬儀・告別式はすでに近親者で執り行った。後日、お別れの会を開く予定。

 ミッチェルさんは1978年7月1日生まれ、静岡県出身。2歳半からピアノを始め、高校、大学では声楽を学んだ。在学中から音楽家として活動し、卒業後は二期会オペラストゥーディオ予科を上位の成績で終了。その後もオペラ歌手としてだけではなく、幅広いジャンルの歌い手として、ウイーンでの交流コンサートや全国600を超える小中高校での公演など、様々なコンサートやライブに出演した。

 シンガーソングライターのカノンさんのバックコーラスを6年間務めたほか、小澤征爾音楽塾にも参加し、「カルメン」をはじめ、オペラ3作品に出演。2010年には日本卓球連盟JTTA決勝戦で国歌斉唱を担当したほか、作詞家としても活躍した。

 19年には40歳にしてNSC(東京25期)に入学、同期生からは「25期の母」と親しまれていた。卒業後は音楽家からの愛称である「ミッチェル」の芸名で芸人としても活動。配信アプリ「17LIVE」内で開催された「よしもと100人ライバープロジェクト 『イチナナ1グランプリ』」で2位の成績を収めるなど、多彩な才能を発揮した。

 24年3月、吉本興業のWEBメディア「FANY マガジン」のインタビューで、子宮体がんのステージⅣBと宣告されたことを公表。

医師から「手術をしても5年生存率は20%です」と告げられた際、「この20%にあなたがなればいいんですよ」と言われ、「その言葉に目からウロコというか、感動しました。20%でも可能性があるのだったら、私は前を向いていきたい。だって、音楽家としても芸人としてもまだまだ成し遂げたいことがたくさんあるのだから」と力強く語っていた。

 その後も闘病を続けながら活動していたが、今年7月8日放送のTBSラジオ「パンサー向井のふらっと」への出演が最後の芸能活動となった。

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