松竹新喜劇の藤山扇治郎、渋谷天笑、曽我廼家一蝶、曽我廼家いろは、曽我廼家桃太郎が2日、大阪市内で松竹新喜劇「秋だ! 笑いだ! 松竹新喜劇九月公演」(20日~28日、大阪松竹座)の取材会に、演歌歌手の辰巳ゆうとと出席した。

 8月28日に大阪松竹座が来年5月末をもって閉館することが松竹より発表された。

同館をホームグランドにする松竹新喜劇にとっては、今公演が同館でのラスト公演。聞いた時は「ショックだった」と声をそろえ、扇治郎は「今でもなくなるイメージが湧かないんですけど。夢じゃないかなと思っています。やっぱり道頓堀の町に劇場があるっていうのが、すごく僕の中ではすごいことだなと思っていて、松竹座は家のような感じがするので、なくなるのは寂しいです」と声を落とした。

 今回1部は仲の悪い兄弟が、妹の縁談を巡り周囲を巻き込む大げんかを繰り広げる「愚兄愚弟」。2部はうり二つのお殿様と大泥棒によって、かごかきや奥方も絡んで騒動になる「駕籠(かご)や捕物帳」を上演する。演歌歌手の辰巳ゆうともゲスト出演し盛り上げる最後の大阪松竹座での公演。「愚兄愚弟」で、弟の惣二郎を演じる渋谷天笑は「5月21日に子供が生まれました。男の子でございます。舞台をぜひ見せてあげたかったんですけど、残念ながら(閉館で)見せることができず…。この作品を松竹座で最後にやらせていただくことに本当に喜びを感じております。お待ちしております」と呼びかけた。

 辰巳はカーテンコールで短いショーも予定。「駕籠や捕物帳」で殿様と大泥棒の2役を演じた後ということもあり、かつら姿での歌唱となるそうで「松竹座でしか見られないバージョンでの歌唱シーンになるのかなと思うので、ぜひそれを楽しみに皆さんに見ていただければ」とアピールした。

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