【オークランド(米国)5日=金川誉】日本代表は、メキシコ戦(6日、日本時間は7日)に向け会場のオークランドコロシアムで前日練習を行った。今季フェイエノールトではリーグ戦3試合4ゴールと最高のスタートを切って代表に合流したFW上田綺世は「数字はいいというか、悪くないかなと思う。
フェイエノールトで3シーズン目。「ワントップとして今のサッカーでどう順応していくかを、大きく言ったらずっとトライしてきた」と語る。前線でポスト役として時間をつくる、守備のファーストディフェンダーとなる、など様々な役割に適応しつつある。そのお手本となってきたのが、今回メキシコ代表として対戦するFWサンティアゴ・ヒメネスだ。昨季途中までフェイエでチームメートとして過ごし、上田にとってはポジションを争うライバルだった。上田を抑えてレギュラーを張っていたヒメネスは、23―24年にはリーグ戦23ゴール、昨季は半年で7ゴールを挙げ、イタリアの名門ACミランへと移籍した。
「プレーの中でも僕に足りないものを持っている存在として、お手本にするところもあった。クラブからもサンティ(ヒメネス)のプレーを見て、こういう風にやって欲しい、というのもあった」。
一方、米国遠征ではチーム内で上田のシュート力を絶賛する声が挙がっている。GK鈴木は「速いし、重い。自分としては、今まで受けてきた選手で一番のパワーを持っている」と評した。鹿島時代にチームメートだったGK早川は「久々に受けると、ちょっと止まっちゃいますね。速すぎて」と語っていた。本人は年々パワーが増しているようにも見えるシュート力の理由について「下半身が大きい、とか色々ありますけど…。僕もわからないですけど、小さいころから打っている(シュート)本数がやっぱり違うんじゃないですか。ずっとシュートは打ってきたし、たぶん誰よりも打っているから。本数は。
愚直に積み重ねてきたシュート練習の末、世界に通用するパワーを身につけた上田は、そんなシュート力を身につけるため、努力は量が大事か、という質問に対し、自身の考えを明かした。
「質なんかわかんないじゃないですか、正直。例えば誰か小学生に効果的なシュート練習を教えても、それで僕のシュートが手に入るわけじゃない。色々やった上で、自分の中で質が見つかって、角度とか打ち方、いろんなことをやることによって筋肉がついてね。もちろん土台があってこそなんで。量を打ってやっていく、むしろその量自体が質なのかもしれない。まずやらないと話になんないし、続けることですよね。質ばっかり追っていても、質よく量やってるやつには勝てないし。そもそも努力って言葉自体も抽象的じゃないですか。別に努力しようと思ってやってる選手も多分いなかったし、この中(日本代表)の選手も。