J1柏は5日、柏市内でルヴァン杯準々決勝第2戦横浜FM戦(7日・三協F柏)へ向けて非公開で調整を行った。練習後にMF小泉佳穂が取材に応じ、福岡戦のPK時にFW細谷真大と交わしたやりとり、3点リードで迎える第2戦への臨み方などを語った。

 8月31日の福岡戦(2〇1)では先制されるも逆転。2点ビハインドから後半に4点を奪って勝利した浦和戦(4〇2)に続き、2試合連続で逆転勝利を収めた。小泉は福岡戦の前半18分に、DF安藤智哉からエリア内でファウルをもらいPKを獲得。直前に日本代表の米国遠征のメンバーに選出されていた細谷にキッカーを託した。

 PKの前に小泉は細谷の胸に指を当て、声をかけた。小泉はその時のやりとりについて「始めから真大に蹴らせるつもりだった。真大もそのつもりだと思っていたが、意外と『蹴りますか』と聞いてきたから、『いや、お前が蹴れ。頼むぞ、エース』って言った」と説明。エースの自覚を促したことを明かした。ただ、細谷のPKはGK小畑裕馬の好セーブで得点にはならなかったため、「ちょっと余計なこと言ったかな、と。もう言わないです」と笑いながら振り返った。

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 福岡戦から中2日で臨んだ横浜FMとのルヴァン杯準々決勝第1戦は4―1で快勝し、公式戦3連勝。

福岡戦で先発した選手が多く出場したことから疲労も見えたが、最後まで攻撃の手を緩めず。後半アディショナルタイムにはFW垣田裕暉の芸術的なループ弾で3点リードとした。次戦はホームなこともあり、優位な状況であることは間違いない。

 小泉も「いい意味でも、悪い意味でも余裕はある」とうなずく。悪い意味での余裕を「シンプルに油断。カンマ差とか、そういったところが見えないようにしないといけない」と形容すると、「悪い意味での余裕をどれだけ消せるかがチームの雰囲気作りだし、プロフェッショナリズム。3点あるアドバンテージを意識してゲームに挑むのか、それとも関係なく0―0だと思ってゲームに臨むのか、チームとしての意思統一が大事になってくる。(第1戦は)結果的に4―1でしたけど、ゲームのコントロールを失っているところが少しあったので、もうちょっと意思統一出来たら良かった」と話した。

 ただ、チームに油断は見られない。リカルド・ロドリゲス監督が「第1戦と同じように、この第2戦を私は捉えています。この90分間でも試合に勝ち、なるべく早い時間帯に点を決めて勝ち上がることを確定させたい。それができるようなチームをピッチに送り出したい」と先手必勝で挑む姿勢を強調すれば、小泉も「3点あるから、引き締める意味でも0―0のゲームだぞ、というスタンスで入ることになるんじゃないかな。

選手個人個人で意思がばらばらになる、チームに統一感がないという状況を防げればいい。それに尽きる」と見据えた。

 「ホームなので。レイソルを応援してきてくれた人に笑顔で帰ってもらうことは、プロ選手(の意識)として持たなきゃいけない。そういう意味でも、メンタルが大事」と小泉。気持ちを切らさず、準優勝で終わった2020年以来5年ぶりのルヴァン杯4強をつかむ。

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