J1の神戸は20日、元日本代表GK権田修一(36)の加入を発表した。この日、チームに合流し、早速、練習に初参加。

「知っているメンバーも、対戦してうまいと思った選手もいる。プレーだけでなく、切り替えの早さや要求の質がすごく高い」と、充実の90分を振り返った。

 3日のルヴァン杯・横浜FC戦(0●2、ニッパツ)で、GK新井章太(36)が左膝前十字じん帯損傷を受傷し、今季絶望となった。天皇杯、リーグ戦と過密日程になっていくなか、永井秀樹SD(54)は「第2キーパーは現場とも議論を重ねて。ACLEを絶対に取りにいく」と、緊急補強に踏み切った理由を説明。12日までが登録期限だったJリーグのルール上、ACLEしか出場できないが、権田は「メンバーに入れない選手に自分の経験を伝えるとか、僕自身が代表を目指す中で、そこに行くための話はできる」と、ピッチ内外で自分なりのリーダーシップを発揮する。

 今季はハンガリー1部のデブレツェニに所属し、4試合に出場。6月に退団し、このタイミングで加入を決めた。決め手は神戸側の誠意と「W杯にもう一度出たい」という強い思い。退団後は帰国し、トレーニングを積んだ。海外でのプレー続行の可能性も探りながら「J1、アジアの舞台で活躍できると証明するのは日本代表にもつながる」と、決断。練習に付き合ってくれた愛息には「ちょっと長い夏休みが終わったわ」と話し、臨戦態勢を整えてきた。

 出身は東京都。関西弁に、エスカレーターは立ち止まる人が右側と、関東との違いには「まだ慣れない」と笑う。それでも「自然が好きなので、山と海があってすごくいい」と、神戸の街は好感触だ。チーム、そして自身最大の目標に向け、全てを懸けて戦う。(森口 登生)

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