◆明治安田J1リーグ▽第30節 東京V4―2岡山(20日・味スタ)

 東京Vがホームで岡山に4―2で勝利した。

 試合前の時点で4戦未勝利で4戦連続無得点だったが、前半8分にMF森田の左CKをFW染野が頭で完璧に合わせて先制。

前半37分、同アディショナルタイム(AT)3分の失点で一度は逆転されたものの、失点直後のキックオフから攻め込み、最後はMF森田の左からのクロスをFW平尾が滑り込みながら右足で合わせて殊勲のプロ初得点。チームにとって5月6日の横浜FC戦以来の複数得点で前半を2―2で折り返すと、後半24分には相手のDFラインを抜け出したFW染野の右クロスを後半開始から出場したFW福田が左足で押し込み、加入後初ゴールで勝ち越しに成功。さらに同43分には自身のボールカットからゴール前まで上がっていたDF谷口がエリア内で一人かわして右足シュートを押し込んで4点目。このまま4―2で押し切り、リーグ5戦ぶりの勝利でJ1残留へ大きな白星を挙げた。

 試合前の時点で29試合でリーグワーストの16得点ということもあり、試合後の会見で城福浩監督は「得点力不足が我々の大きな課題というのは十分に認識していました」と言った。

 それでも、この試合に向けて改めて立ち返ったのは、前線からの守備や球際の激しさ、切り替えの速さなどのチームのベースになる部分で相手を上回る重要性だった。「今日選手に伝えたのは、ペナ(ルティーエリア)の中でこういうプレーをしようとか、ここまで入ったらニアゾーンをこうしようとかのやり方ではなくて、我々は常にいい守備からいい攻撃だと。いい奪い方を出来れば必ずチャンスになるから、そこにフォーカスしろと言って今日臨んだ。まさに最後の谷口の得点も(ボールを相手から)取るポイントは後ろでしたが、非常に強固な守備からいい奪い方をして、全員が前向きでスプリントが出来た。我々のベースの所がしっかり具現化出来たという意味では自信になったかな」とうなずいた。

 前節は東京ダービーでFC東京に敗れる悔しさを味わったが、今節はホームでJ1残留へ歩みを進める大きな白星をマーク。「東京ダービーで本当に悔しい思いをしたのは、我々クラブの中だけではなく、サポーターも含めてだったと思います。

本当に今日、我々の背中を押しにきてくれたサポーターに感謝したい。彼らの思い、期待に応えられて少しほっとしています。前半の最後の15分は反省しないといけないが、前半のうちに追いつけたこと、後半仕切り直して押し返した、狙いとするような攻めが出来たことは非常にポジティブですし、最後のクローズの所も全員の力で後半無失点で終えられたのは自信になる。この勝ち点をより意味のあるものにするためにも、次の試合勝ち点を取って神戸から帰ってきたい」と次の戦いへ視線を向けた。

編集部おすすめ