FC東京は前半23分、FW長倉の右クロスを中央でMF遠藤が頭で押し込み、これが決勝点になった。川崎との多摩川クラシコは4連敗中で、ここ3戦は0―3で屈していたが、後半のピンチも集中した守備でしのいだ。

 1点をリードした前半29分には、MF高のパスを起点に前線に駆け上がった右DF安斎のクロスから、FW仲川がスルーし、最後はMFギリェルメがネットを揺らしたが、パスを受けた安斎の位置がわずかにオフサイドだったため、ゴールは取り消しとなった。高が「オフサイドが悔やまれるが、あれは僕自身もいい(崩しの)場面だったと思う」と振り返ったように、FC東京にとっては完璧な形だったが、ファイサル・アルバラウィ主審が映像で確認の末、幻のゴールとなった。

 また、後半アディショナルタイム3分には、川崎が左DF三浦のクロスからFC東京DFショルツが苦しい体勢でクリアしたこぼれ球を最後はMF脇坂がゴールに押し込んだが、クロスが上がったタイミングでゴール前にいたDFウレモビッチが、またも映像確認の末にオフサイドとなり、無得点となった。

 ショルツはこの場面に関し、「最初の時点から、あれはオフサイドだと思っていた。映像を見る前から、オフサイドだと確信していた」と自信たっぷりに語った。その後、川崎はクロスから途中出場のFW小林が枠内にドンピシャヘッドを放つも、GKキムスンギュがセーブ。2万2338人が集まったクラシコらしい熱戦は、わずかな差が勝敗を分ける結果となった。

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