◆明治安田J1第30節 清水1―0京都(20日・サンガS)
清水エスパルスは首位の京都とアウェーで対戦し、1―0で“金星”を挙げた。後半30分、途中出場のDF高木践(23)のクロスに同じく途中出場のMF矢島慎也(31)が反応し、右足で決勝の今季1号。
敵地を揺るがす歓声が心地よかった。オレンジ軍団が首位を食った。アウェーのサッカー専用スタジアムでは今季公式戦12試合目で初白星。秋葉忠宏監督(49)は「選手が野心と己の価値を示した素晴らしいゲームだった」と拍手した。
完璧な崩しで虎の子の1点をたたき出した。後半30分、DF住吉の縦パスに抜け出した高木が走り込んで右クロス。中央の矢島が右足で豪快にネットを揺らした。「大事なところで決めたいとずっと言ってきた。ジェラ(住吉)のパスも良かったし、あそこに入っていくのは狙い」。G大阪に所属していた21年9月以来のJ1弾は値千金の一発となった。
リーグ最多得点相手に真っ向勝負した。序盤から“肉弾戦”が繰り広げられたが球際で一歩も引かず、危険な場面は最終ラインが体を張ってしのぎ続けた。「FWを含めた全員の守備力」と指揮官。無失点は2試合連続今季10度目で、直近4試合で1失点と安定感が際立っている。
秋葉監督はリーグ中断期間、プロ野球で三冠王3度の落合博満氏のドキュメント映像をミーティングで見せた。「天才と言われた落合さんも『俺よりバットを振ったのは王さんくらい』と言えるくらい練習していた。練習はウソをつかない」ことを伝えた。オレ流魂注入後はこれで2連勝だ。次は中2日でホーム・浦和戦。秋葉清水の進撃はまだ終わらない。(武藤 瑞基)