◆明治安田 J1リーグ▽第32節 神戸2―1清水(27日・ノエビアスタジアム神戸)

 J1の神戸が1点ビハインドを後半にひっくり返し、勝ち点3をつかんだ。1―1の後半アディショナルタイムには、DF酒井高徳が決勝ゴールを決めた。

 前半40分に4試合ぶりに失点を許したが、後半20分にMF鍬先祐弥のJ1初得点で同点。後半のアディショナルタイムは3分と表示され、試合終了に近づく。すると、同47分。左サイドのDF永戸勝也が前線に送ったボールに相手が交錯する形となり、こぼれたボールにFW小松蓮が抜け出す。マイナスに入れたクロスに対して酒井は「とにかく当てることだけを意識して」と滑り込みながら左足を出し、ゴール右隅に決めきった。「チャンスになるシーンは来ると思っていた。チームとして最後まで勝ちを諦めずにつかもうとした結果。非常に良かった」と、今季初得点を誇った。

 右サイドバックとしてスタメン出場し、選手交代ではボランチに移行。あえて最終ラインでボールを持ってDFラインの立ち位置を落ち着かせる場面や、豊富な運動量でチームの戦術を体現する。シュートのシーンは「正直ボール当たった瞬間砂が目に入り過ぎちゃってゴール入ったのが分からなくて。歓声がバーってなったので(笑)。

喜びにいっている時も目が何も見えなくて」とニヤリ。試合後の取材でも「めっちゃ痛い…」とつぶやくほど、大迫力で90分間上下動し続けた。

 練習でのゲームから、シュートを多く放つシーンをよく見る。「打っている割には入ってないですけど」と笑うが、「果敢に前を選択する」チームの大前提をプレーで表現。「苦しい時に助けられるアシストだったり得点はもっとしなきゃいけないなと感じている。最後の6試合はゴールに絡める結果をより狙っていきたい」。ラストスパートに向けて、その存在感はどこまでも頼りになる。

 「いい意味で調子に乗るっていうのは大事だと思う。いま波に乗っている、自分たちは勢いがあるんだよという自負はチームにプラスな影響を与えると思う」と酒井。残りの試合も目の前の相手をなぎ倒し、フィナーレで笑う。

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