◆明治安田J1リーグ▽第32節 東京V0―0浦和(27日・味スタ)
東京Vが浦和と0―0で引き分け、柏と並んでリーグ最多タイの14度目の無失点試合を記録し、J1残留へ貴重な勝ち点1を上積みした。
前節の神戸戦は0―4で敗戦し、守備陣の要のDF谷口を出場停止で欠いた一戦だったが、開幕からフル出場を続けるGKマテウスの好セーブや、宮原、林、深沢の3バックを中心にチーム全員が高い集中力を保ち体を張った守備を披露。
カウンターや左サイドの新井からのクロスを中心とした攻撃から得点こそ生まれなかったが、4戦ぶりの無失点でスコアレスドローとし、J1残留へ勝ち点1を上積みした。試合後のフラッシュインタビューで城福浩監督は「前節が惨敗だったので、期するものがあったし、選手個人としてもチームとしてもリバウンドメンタリティーを見せたかったので、今の選手たちの経験値から言えばよくやったと言ってやりたいですけど、勝ち点3を取れなかった悔しさの方が大きい」と収穫と課題を強調。続けて記者会見でも「終わってみて勝ち点1は正直、悔しい。経験値で言えば比較にならない対戦相手だと思いますけど、我々がどのように積み上げてきたのか、守備と攻撃で何を表現するのか、選手はよく理解しながら、今やれることをやってくれた。前半の特に最初は押し込まれて、そこをよく我慢したなと思います。ハーフタイムに我々のへそ(ボランチ)を使う所を強く修正した。勇気を持ってへそを使い、そこから展開していく。後半始まってすぐ修正できたのは、このチームの成長の証かなと思います。前半の我慢したところ、後半の修正力は、経験値の少ない選手に大きな、大きな経験になった。ただ、勝ち点1は満足できない」と振り返った。
それでも、この日はホームでサポーターの声援の後押しを受けて、前節の嫌な敗戦を持ち込まず、タフな試合で勝ち点を手にした。試合前にゴール裏サポーターが「残り7試合、このクラブに関わるすべての人達と全部勝ちに行く。」との横断幕を掲げ、試合後にも残り6試合に変えられて同じメッセージが送られた。
指揮官も「アウェーの0―4の時も我々を鼓舞してくれたんですよね。J1の中で格差があって、夏の移籍市場で苦しんでいる中で、彼らが我が事のようにそれを捉えて、このクラブを支えてくれていることは本当にありがたい。彼らの温かさ、思いに甘えてはいけないし、彼らが最後掲げてくれたような、6試合全部勝つという思いを我々も一緒になって遂げたい」と決意を示した。