兄弟デュオ「ビリー・バンバン」の菅原進が28日、東京・新宿ケントスで行われたライブイベント「浜口庫之助傑作選」に出演し、開演前に報道陣の取材に応じた。

 11日に兄の菅原孝さんが肺炎のため81歳で死去。

進は、兄の悲報が公表されてから初の公の場となった。取材では「あんなに優しい人はいませんでした。また、逆には頑固で…。思い出がよみがえってきて、寂しいな」としんみり。「お兄さんと僕は兄弟です。すごく仲が悪かったです」と会場を笑わせつつ「ぶつかって、それが勉強になって成長していった」と振り返った。

 質疑応答の前には1969年のデビュー曲「白いブランコ」を歌唱。「お兄さんは隣にいるつもりで、ハモってくれますから。みなさんも心でハモってください」と呼びかけ。ロングトーンでは目をつぶって天を仰ぎ、「きょうだけは兄貴のことを思いながら…思い出を出し切って歌いたい」と力を込めた。

 1人きりになってしまった「ビリー・バンバン」だが、進は「兄貴が隣にいてほしい。空気がつかめない感じ」と違和感がぬぐいきれない様子。

「兄貴の分まで生きていきたいと思います。声が出る限りは歌っていきたい」と名曲を歌い継いでいくことを誓った。

 本番では「白いブランコ」や「また君に恋してる」、兄弟の恩師だった浜口庫之助さんが作曲した「バラが咲いた」など5曲を歌唱。約100人の観客を前に「皆さん知っておられると思いますが、9月11日に兄が亡くなりました。寂しいし、朝起きると兄を思い出して悲しいなと思ったりする」と切り出すも「悲しみから(兄と出会えた)喜びみたいな気持ちになっていくのも人間。だから僕は兄貴に祝福の歌を歌いたいと思います」と天国の兄に歌をささげた。

 この日の取材会にはビリー・バンバンの恩師・浜口庫之助さんの妻で元女優の渚まゆみさん、ビリー・バンバンの初期メンバーだった、せんだみつおも出席。せんだは「進さんの歌を聴いてふっと『昭和ってすごいな』ってよみがえったんです。お笑いの『ナハナハ』は消えていくけど、歌は残る。俺は無理してでも、あの時メンバーに入れてもらえばよかった」と苦笑していた。

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