女優の綾瀬はるか(40)とお笑いコンビ「千鳥」の大悟(45)が、是枝裕和監督(63)が原案、監督、脚本、編集を手掛けるオリジナルストーリーの新作映画「箱の中の羊」(2026年公開)で夫婦役を演じることが28日、分かった。ダブル主演で大悟は今作が初主演となる。

 2018年の「万引き家族」でカンヌ国際映画祭の最高賞「パルムドール」を獲得するなど、世界的に注目される是枝監督の「怪物」(23年)以来、3年ぶりの新作。そう遠くない未来を舞台に、綾瀬演じる建築士の甲本音々(おとね)と、大悟演じる工務店の2代目社長・甲本健介がヒューマノイド(人間型のロボット)を7歳の息子として迎える家族の物語だ。

 今月から撮影がスタート。「海街diary」(15年)以来、11年ぶりの是枝作品となる綾瀬は「今回一番楽しみにしているのは、大悟さんと夫婦役ができることです」。大悟からは「ごめんね、ワシがダンナ役で」と言われたが、「えー、そんな!」と応じ、「テレビの中の印象そのまま。とてもシャイな感じがしましたし、とても素敵な方だと思いました」と声を弾ませた。

 映画初主演の大悟はクランクインにあたり「ビビってます」と声を震わせた。是枝監督からは「現場で耳打ちする感じで、それをそのまま、自分なりにやっちゃってください」と言われ、「それは監督が子役に使ってた手法らしくて。そうおっしゃっていただいて非常に気持ちが楽になりました」。綾瀬についても「本当にあのままというか、非常に明るい楽しい人でとても良かったと思います」と印象を語り、息の合った様子で撮影に臨んでいる。

 是枝監督は綾瀬には「久しぶりの綾瀬さんは、相変わらずチャーミングでとても素敵です」と信頼を寄せ、大悟については「存在感があり、歩き方が独特で、人間味があってすごくいい顔をされています。70年代の日本映画界にいた俳優さんのような顔だな」と俳優としての魅力を評価した。

2人が演じる夫婦には「期待しかないです!」と太鼓判を押した。

 〇…これまで家族をテーマにした映画を数多く世に送り出してきた是枝監督は、生成AIに生前のデータを学習させて故人をよみがえらせるサービスが中国で話題になっていることから、今作の物語を発想した。「今後は日本でも起きる可能性があり、想像以上のスピードでテクノロジーが進化しているので、思ったよりも早くそういう事態が到来する」と感じて、イメージを膨らませた。

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