ドジャース佐々木朗希投手(23)が7日(日本時間8日)、D・ロバーツ監督(53)に、「守護神」に指名された。フィリーズとの地区シリーズ(S)では敵地での第1、2戦で2試合連続セーブ。

他の救援陣が本調子ではないため指揮官は「間違いなく彼が最優先の選択肢」と明言した。8日(同9日)の本拠地での第3戦(日本時間10時8分開始)で勝てば、リーグ優勝決定シリーズ進出が決まるが、ポストシーズン(PS)で3試合連続セーブなら日本人投手では初となる。

 「守護神・朗希」は少しだけリラックスモードだった。ドジャースタジアムで行われた全体練習に参加し、キャッチボールやランニングなどで軽めの調整。ナインとも積極的に会話して笑顔も見せた。試合のない日も挟んで3試合連続で登板し、2戦連続でセーブを挙げているが、連投へも「休みの日も強度を高めに投げてみたりとか、試しながら行けそうだなという感覚はあります」と意欲を示しており、じっくりと体を動かした。

 初戦では9回に登場して1回無失点。第2戦では、1点差の2死一、三塁から2球で最後のアウトを取った。ロバーツ監督は、朗希の役割について5日の段階では「9回に固定したくない」と救援のジョーカー的な構想を披露していたが、方針転換。「今は彼が最優先の選択肢だ。条件が合えば、間違いなく彼が試合を締めくくることになる」と、守護神の座をつかみ取ったことを明言した。

 ただ、右肩の故障明けの“急造リリーバー”とあり「可能なら毎日投げさせたいが、それは現実的ではない。

だから話し合いを重ねて最終的に私が決断を下す」と登板過多には十分注意を払うと明かした。

 PSで日本人投手が3戦連続でセーブを挙げた例はなく、第3戦には史上初の期待もかかる。これまで2日連続登板はないが、第1、2、3戦の間にそれぞれ休養日が設けられる日程的な恩恵も受けて、登板には問題がない。同時に本拠地初セーブもかかっている。PSで3セーブを挙げれば「大魔神」こと、00年の佐々木主浩マリナーズ)に並ぶ。このままチームがワールドシリーズ(WS)まで駆け上がっていけば、13年上原浩治(Rソックス)の7セーブも見えてくる。

 地区S突破に王手をかけているド軍はPSで無傷の4連勝。2年連続WS制覇へは、あと9勝だ。頂点まで、朗希なしでは届かないと思わせる存在感を見せている。(安藤 宏太)

 ◆日本人投手のPSでのセーブ 日本人投手がポストシーズンでセーブをマークしたのは00、01年佐々木(マリナーズ)、13年上原(Rソックス)、朗希の3人だけ。上原はWSを制覇した13年だけで7セーブ。最後は胴上げ投手にもなった。

佐々木は00年に3、01年に1セーブ。連続試合セーブは00年佐々木がWソックスとの地区S第1、2戦で記録。上原は13年タイガースとのリーグ優勝決定S第5、6戦、カージナルスとのワールドシリーズ第4、5戦で挙げている。いずれも2試合連続で3試合連続はいない。

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