巨人がDeNAと対戦する「2025 JERA クライマックスシリーズ セ」第1ステージ(S)が11日から横浜スタジアムで始まる。阿部慎之助監督(46)は10日、敵地での前日練習で「モチベーションとテンション上げてやるだけだ」と訓示。
澄んだ空気の横浜に巨人ナインの大声が響いた。CS前日練習で行った野手のシートノック。坂本、小林らベテランから岸田、リチャード、中山ら中堅若手まで全員で盛り上がった。阿部監督はその様子をうなずきながら見守った。アップ前の円陣では「とにかくモチベーションとテンション上げてやるだけだ」と訓示して一致団結。士気を高めて万全の準備を整えた。
普段は巨人の応援団が陣取る左翼席が、今CSではホームエリアに変更される。外野は全てDeNA応援席で、巨人応援席は三塁側上段ウィング席になる。「完全アウェーの横浜スタジアムで思い切りぶつかって、ワクワクさせる試合をできたら。少なくても来てくださるジャイアンツファンはいるだろうし、全国の来られない方々はテレビで見てくれると思う。
360度、青一色が予想される敵地で最大のポイントは精神面。「みんなが気持ちを合わせてやるしかない。それが一番大事とミーティングでも言った」。今季は先制すれば45勝21敗、6割8分2厘の高勝率で「とにかく先制点、初戦の先制点は短期決戦では本当に大きい」と先手必勝を掲げた。初戦の相手先発はケイ。初回の表の攻撃から勢いに乗って流れをつかみたい。
先発は初戦から山崎、戸郷、横川の予定。野手では右脇腹痛でシーズン終盤に離脱していた吉川が間に合ったのは二塁守備と攻撃面ともに朗報で、不動の4番・岡本を中心にベストメンバーで臨める。「ベンチ入りしている全員がキーマンになってほしい。誰が見ても分かるようなキーマンが出てきてほしい」。
練習前、球場の一室で行われたCS前日公式会見では相手の三浦監督と並んで出席。「筒香くんも後半すごく状態を上げてきていますし、牧も復帰するという情報も入っている。2人が打つと横浜が乗る印象がある」と警戒した。甲子園からはリーグ優勝の阪神・藤川監督がリモート出席。「勝ち抜いてタイガースに挑戦したい」と最終S進出へ決意を新たにした。
今季のレギュラーシーズン対DeNAは15勝9敗1分け。大きく勝ち越したが、CS本拠地開催の2位を最終盤まで争って2差の3位に終わった。その悔しさは誰も忘れていない。練習では投内連係で入念に守備面の確認を行うなど約2時間、最終調整。「やることはしっかりやって。ミスが出た方が負ける。
◆横浜スタジアムのビジター応援席 左翼席に設けられ季節、時間帯など条件によってエリアが変動する。シーズン中の巨人ビジター応援席は約1750席、または約950席が用意され、シーズン後半は主に後者だった。今CSで初めて導入される左翼ウィング席のビジター応援席は約1100席。グラウンドからは遠ざかるが、席数は約150増える。