◆2025 JERA クライマックスシリーズ セ・ファーストステージ 第2戦 DeNA7×―6巨人=延長11回=(12日・横浜)

 巨人が今オフ、先発投手陣の大幅整備に乗り出すことが12日、分かった。「2025 JERA クライマックスシリーズ セ」の第1ステージ(S)第2戦(横浜)でDeNAに延長11回に逆転サヨナラ負けを喫し、連敗で敗退が決まった。

先発陣補強が明確な課題となる中、FA宣言選手の争奪戦参戦を検討。中日の柳裕也投手(31)ら実績ある投手が宣言する場合に備え、動向を注視していくことになりそうだ。また、今季まで10年間メジャーでプレーし、来季は日本球界復帰の意向を示す前田健太投手(37)の調査にも動く可能性が浮上した。

 課題が明確に出たポストシーズンだった。負ければシーズン終了となる、この日のCS第1S第2戦。初回に5点先制したが、先発・戸郷が直後に5点を返されて追いつかれた。今季2年連続で開幕投手を務めるも苦しんだ右腕が象徴したように、このオフは先発陣の大幅な整備を目指す方針であることが判明した。

 シーズン通して先発ローテを確立できず、試行錯誤の1年だった。昨季、15勝3敗で貯金を12つくった菅野がメジャー移籍。その穴を埋めるため現有戦力の底上げを目指したが、戸郷は2度の2軍落ちなど8勝9敗(救援での1勝を含む)と苦しんだ。24年に8勝を挙げ、さらなる飛躍が期待された井上も4勝8敗と伸び悩み、終盤は上半身のコンディション不良でファーム調整が続いた。開幕からローテを守って奮闘した赤星も6勝9敗で終盤は右肩痛で離脱した。

 山崎が11勝4敗とフル回転したが、グリフィンは6勝1敗ながら故障で定着できず、CS前に右膝の治療に専念するため米国に帰国。CSでの先発陣は山崎、戸郷、横川、森田、田中将で組んだが、阿部監督が「駒不足」とコメントするなど苦戦。2軍でも又木らが上を目指してきたが、1軍では定着できず底上げも足りなかった。

 シーズン終盤の9月の先発防御率が5点台。初回失点の多さも課題として残った。阪神のリーグ優勝決定後、DeNAとの2位をかけた激しい争いとなったが、打線が状態を上げた一方で最後まで先発陣が安定せずに3位となった。来季に向けてスターターの層を厚くすることは不可欠だ。

 昨年はFAでソフトバンクから甲斐を獲得。今年もFA獲得レースに参戦してチーム強化を図る構えだ。現時点でFA権保有選手が宣言するか不透明だが、今年FA権を取得した選手の中で先発では中日の柳が実績のある投手に挙がり、宣言する場合は獲得調査に乗り出す可能性は十分ある。

 FA補強以外でも幅広く先発の層を厚くする道を探ることになりそうだ。その中で今季終盤はヤンキース3Aでプレーし、来季は日本球界復帰の意向を示している前田も調査の候補に浮上しそうだ。

日米通算165勝の実績は誰もが知るところ。今季、日米通算200勝を達成した田中将や坂本と同じ「88年組」でNPB球団の争奪戦になる可能性もあるが、状況を注視していく見込みだ。

 まだシーズンが終わったばかりで、詳細はこれから詰めていく段階。来季のV奪回へ、若手の底上げと並行して補強も模索していくことになりそうだ。

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