◆2025 JERA クライマックスシリーズ セ・ファーストステージ 第2戦 DeNA7×―6巨人=延長11回=(12日・横浜)
泥臭く、気迫を前面に出して食らいついた。4時間31分、延長11回の死闘。
初戦を落とし、負けたら終わりの崖っ縁に追い込まれて迎えた第2戦。初回、いきなり5点を先制も、先発の戸郷が直後に5点を返されて同点となる異例の展開で、4回から継投策に出た。同点の7回途中に大勢、8回途中に守護神のマルティネスを投入して、ともに回またぎで助け合いながら絶体絶命のピンチをしのいだ。引き分けも許されない中で、11回に1点勝ち越し。だがその裏、回またぎとなった8番手の田中瑛が2死走者なしから4連打で逆転された。
リーグ連覇を逃した今季は貯金1で3位。投打で主力に不調や故障者が続出し、年間通してベストメンバーで戦える期間が少なかった。一方で、チャンスをもらった若手が貴重な経験を積んで可能性を感じさせたシーズンでもあった。この日、初回先頭打者弾の佐々木、3ランの中山は飛躍の兆しを見せた。このCSの悔しさが、さらなる成長への栄養になる。「みんな必死にやってくれたし。それをすごく大きな糧にして来年のシーズンにぶつけてほしい」と期待した。
昨年はCS最終S(東京D)でリーグ3位のDeNAに最終第6戦で敗れて敗退した。今年も日本シリーズには届かず13年ぶりの日本一はかなわなかった。攻撃では好機でのあと一本、走塁や守備での細かいミスも課題として残った。
「自分自身も何が足りなくて勝てなかったのかというのをしっかり課題として自問自答したい。選手にも同じことを言ったので。そういう期間にもうなってしまうんだけどね、寂しいけど。来年にどうそれをつなげるかっていうのが一番大事。何が足りなくて、こうしようっていうのを行動に移してほしいし、それを鍛錬して、人に負けないくらい鍛錬したって自信持ってキャンプに来てほしい」
立ち止まっている時間はない。終戦と同時に2026年に向けた戦いはもう始まっている。(片岡 優帆)