東京六大学野球秋季リーグ戦第5週第2日▽法大―明大(13日・神宮)

 東京六大学野球連盟の創設100周年を記念するレジェンド始球式が行われ、明大OBで巨人、西武の投手として活躍した鹿取義隆氏(68)が登場。2年春からつけた背番号1で、低めのワンバウンドを投じ「基本は低めなんで。

緊張しました。このユニホームは格別です」と笑った。

 鹿取氏は高知商を経て、明大入学。タフネスぶりが当時の島岡吉郎監督に重宝され、リーグ通算58試合に登板して21勝14敗、防御率1・89、219奪三振の成績を残した。

 「いっぱい投げましたよね。それがなければ今の自分はない。深い、いい時間でした。壊れなかったことが一番。球数を投げても痛めなかった。それで投げ方を覚えたと思います」

 78年ドラフト外で巨人入団。「鹿取大明神」の異名を誇り、救援投手として活躍した。西武に移籍した90年に最優秀救援投手賞を獲得。

97年引退後は、巨人1軍投手コーチ、ヘッドコーチなどを歴任。2006年第1回WBC日本代表投手コーチ。15年の「プレミア12」でも同投手コーチ。侍ジャパンU15代表監督やテクニカルディレクター、巨人のGM兼編成本部長を務めた。プロ通算19年間で755試合に登板。91勝46敗131セーブ、防御率2・76の成績を残した。

 東京六大学野球のいいところには「卒業しても、すぐここに戻ってこられる。上下含めて、仲間がいること」と語った。

 始球式を終えると、丁寧にマウンドを整えた。「現役の頃からです。これから試合が始まるので、ちゃんときれいにしないと」。何げない仕草に、野球への愛がにじんだ。

(加藤 弘士)

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