イチローも大魔神も届かなかった夢 メジャーで唯一ワールドシリーズ未経験のマリナーズ、4度目の正直なるか

 メジャー30球団で唯一ワールドシリーズ未経験のマリナーズが、敵地でのブルージェイズとのア・リーグ優勝決定シリーズ(ALCS)に2連勝スタートした。15日(日本時間16日)から本拠Tモバイルパークに戻り悲願なるか注目だ。

 ここでマリナーズの過去3度のALCSと今回を比較してみる。(Hは本拠、Vは敵地)

▼1995年(インディアンス∥現ガーディアンズ)

 ①H〇3―2

 ②H●2―5

 ③V〇5―2

 ④V●0―7

 ⑤V●2―3

 ⑥H●0―4

▼2000年(ヤンキース)

 ①V〇2―0

 ②V●1―7

 ③H●2―8

 ④H●0―5

 ⑤H〇6―2

 ⑥V●7―9

▼2001年(ヤンキース)

 ①H●2―4

 ②H●2―3

 ③V〇14―3

 ④V●1―3

 ⑤V●3―12

 1、2戦連勝は初めて。先に2勝したのも1995年に次いで2度目だ。過去3度の出場、いずれも本拠地での試合で2敗を喫したのが大きな誤算だった事がうかがえる。

 1995年はR・ジョンソン、K・グリフィーと殿堂入りを果たす投打の主軸が存在。地区シリーズで5本塁打したグリフィーだったがALCS第3戦以降14打数3安打1打点のブレーキとなった。ジョンソンも地区シリーズでは2勝したが、ALCSでは中3日先発の第6戦、8回途中4失点で力尽きた。

 佐々木主浩投手が新人王になった2000年は先発のF・ガルシアが2戦2勝したものの、他の投手先発試合はヤンキース打線に打ち込まれて敗れた。

 レギュラーシーズン116勝した2001年はイチローデビュー年。地区シリーズで21打数12安打と打ちまくったが、ヤンキース強力投手陣に18打数4安打と抑え込まれ、抑えの佐々木も唯一の出番が1―1の同点で迎えた第4戦の9回、ソリアーノにサヨナラ2ランを浴びたのだった。

 今年は地区シリーズからポランコというラッキーボーイが誕生しているマリナーズ。タイガースとの死闘を制した勢いでこのままワールドシリーズに駆け上がって欲しいものだ。

 ※参考資料 ベースボール・リファレンス

 蛭間 豊章(ベースボール・アナリスト)

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